今日の「 お気に入り 」は 、インターネットのフリー百科事典「 ウィキペディア 」
掲載記事「 デウス・エクス・マキナ 」。
色んな疑問にこたえてくれて 、年寄りの自宅学習に 、とってもあり難い 。
大抵のことは ウィキ で知れる 。
引用はじめ 。
「 デウス・エクス・マキナ( deus ex machina 、羅 : deus ex māchinā デウス・エクス・マー
キナー )とは演出技法の一つである 。古代ギリシアの演劇において 、劇の内容が錯綜して
もつれた糸のように解決困難な局面に陥った時 、絶対的な力を持つ存在( 神 )が現れ 、
混乱した状況に一石を投じて解決に導き 、物語を収束させるという手法を指した 。
由 来
由来はギリシア語の ἀπὸ μηχανῆς θεός ( アポ・メーカネース・テオス ) からのラテン語訳
で 、『 機械仕掛けから出てくる神 』、あるいは『 機械仕掛けの神 』などと訳される 。
『 デウス・エクス・マキーナ 』などの表記もみられるが、ラテン語としては誤りである 。
通常の複数形は deī ex māchinā ( デイー・エクス・マーキナー )もしくは dī ex māchinā
( ディー・エクス・マーキナー )であるが 、機械にあたる語も複数形になる " ... ex māchinīs "
『 ~ エクス・マーキニース 』というバラバラ感を強調した表現もたまには見られる 。また 、
女神の場合は最初の単語が dea ( デア ) 、複数形 deae ( デアエ ) となる 。
悲劇にしばしば登場し 、特に盛期以降の悲劇で多く用いられる 。アテナイでは紀元前5世紀
半ばから用いられた 。特に エウリピデス が好んだ手法である 。
エクス・マーキナー( 機械によって )とは 、この場面において神を演じる役者がクレーンの
ような仕掛けで舞台( オルケストラ )上に登場し 、このからくりが「 機械仕掛け 」と呼ばれ
たことによる 。由来は 、『 機械仕掛けで登場する神 』ないし 、舞台装置としての解決に導く
神そのものが機械仕掛けであることとも解される 。日本語で思いがけない展開を指す『 どんでん
返し 』( 歌舞伎において 、大道具の背景を倒し 、瞬時に場面転換する『 強盗返 』から来た )
あるいは『 超展開 』とも発想は類似しているが 、これらは物語を解決に導くものだけを指す
わけではない 。
井上勇は 創元推理文庫 の ヴァン・ダイン『 ベンスン殺人事件 』で 、『 時の氏神 』と翻訳
している 。
評 価
内 容
古代ギリシアの時点で既にこの手法は批判されている 。アリストテレスの『 詩学 』において 、
デウス・エクス・マキナ は褒められた解決方法ではない 、とされている 。アリストテレスは 、
演劇の物語の筋はあくまで必然性を伴った因果関係に基づいて導き出されていくべきであると
し、行き詰った物語を前触れもなく突然解決に導いてしまうこのような手法を批判している。
また 、" 夢落ち ” は デウス・エクス・マキナ であり 、手塚治虫は禁忌とした 。
技 術
好ましくない解決とされることが多いものの 、舞台の機械装置の発展としては 、盛期アテナイ
演劇の成果のひとつとして評価される 。
デウス・エクス・マキナの例
ギリシア悲劇
・ ソポクレス『ピロクテテス』 - オデュッセウスの説得を拒むピロクテーテースに対して 、
神となったヘーラクレースが現れ 、アカイア勢への助力を命じる 。
・ エウリピデス『オレステス』 - 母を殺したオレステスは狂い 、エレクトラともども死刑
を宣告される 。オレステスらはその原因であるとみなしたメネラーオスの妻と娘を殺そ
うとするが 、アポロンの計らいで和解する 。
・ エウリピデス『 タウリケのイピゲネイア 』 - 逃亡したオレステスとイピゲネイアに追っ
手を出そうとしたタウリケの領主に女神アテナが現れ 、追っ手をとどめる 。
悲 劇
・ ゲーテ『ファウスト』 - ファウストはメフィストフェレスと『 時よ止まれ、汝はいかに
も美しい 』と言えばメフィストフェレスに魂をゆだねるという契約を結んだ。終幕で彼
はこの言葉を吐いて絶命し、メフィストフェレスは彼の魂を地獄に運ぼうとするが、唐
突に現れた天使やグレートヒェンの霊によって遮られ、神による救済に至る 。
喜 劇
・ シェイクスピア『 夏の夜の夢 』 - 妖精王 オーベロン のほれ薬のために 、錯綜してい
た四角関係が整理され 、相愛の恋人二組が誕生する 。
オペラ
・ モーツァルト『 イドメネオ 』 - 王が王子を生け贄に捧げようとし 、王子の恋人が自
分が犠牲になると進み出ると 、神の声が響いてすべてが赦される 。古典的なデウス・
エクス・マキナの使われ方 。」
引用おわり 。
ついでながら 、村上春樹 さん の 小説「 ノルウェイの森 」の中にこんな一節がありました 。
「 デウス・エクス・マキナ 」 の おさらい 。
「 エウリピデス 知ってますか ?
昔のギリシャ人で 、アイスキュロス 、ソフォクレス とならんで
ギリシャ悲劇のビッグ・スリー と言われています 。
最後は マケドニアで犬に食われて死んだ ということになっていま
すが 、これには異説もあります 。これが エウリピデス です 。
僕は ソフォクレス の方が好きですけどね 、まあこれは好みの問
題でしょうね 。だからなんとも言えないです 。
彼の芝居の特徴は いろんな物事がぐしゃぐしゃに混乱して身動き
がとれなくなってしまう ことなんです 。わかります ?
いろんな人が出てきて 、そのそれぞれにそれぞれの事情と理由と
言いぶんがあって 、誰もがそれなりの正義と幸福を追求している
わけです 。そしてそのおかげで全員がにっちもさっちもいかなく
なっちゃうんです 。そりゃそうですよね 。みんなの正義がとおっ
て 、みんなの幸福が達成される ということは 原理的にありえない
ですからね 、だからどうしようもない カオス がやってくるわけで
す 。それでどうなると思います ?
これがまた実に簡単な話で 、最後に神様が出てくるんです 。
そして 交通整理するんです 。お前あっち行け 、お前こっち来い 、
お前あれと一緒になれ 、お前そこでしばらくじっとしてろ って
いう風に 。
フィクサー みたいなもんですね 。そして 全てはぴたっと解決 します 。
これ は デウス・エクス・マキナ と呼ばれています 。
エウリピデス の芝居にはしょっちゅうこの デウス・エクス・マキナ
が出てきて 、そのあたりで エウリピデス の評価がわかれるわけです 。
しかし もし 現実の世界にこういう デウス・エクス・マキナ という
のがあったとしたら 、これは楽でしょうね 。困ったな 、身動きと
れないなと思ったら 神様が上からするすると降りてきて全部処理
してくれるわけですからね 。こんな楽なことはない 。でもまあ
とにかくこれ が『 演劇史 Ⅱ 』です 。我々はまあだいたい大学で
こういうことを勉強してます 。 」
( 出典: 村上春樹 著 「 ノルウェイの森 」 講談社 刊 )
大学で「 演劇史 Ⅱ 」は勉強しませんでしたので 、「 デウス・エクス・マキナ 」は 、
初見の言葉 。
日々 、気にかかる ウクライナ 情勢 、 泥沼化の一途を辿り 、時の氏神 、
・・・ 現われそうにない ・・・ 。
プーチン・ロシアが「 ネオナチ駆逐 」を旗印に 、衛星国を含めたソ連時代の
旧領復活を目指している以上 、民族自決主義に基づく独立国 ウクライナ の、
選挙で選ばれた大統領 が 、ロシアの衛星国になるのを潔しとせず 、国を守る
ために 、西欧側の助けを求めるのは当然の流れ 。亡命政権じゃダメなんです 。
一旦 、ロシアの植民を許したら 、現状固定化が進むことは 、経験的に 皆知っ
ています 。一度とったら返さないのは 、今どきの国 、どこも同じ 。
油断もすきもありゃしない 。
プーチンさんも 、ゼレンスキーさんも 、曲がりなりにも 、それぞれ独立国
の国政選挙で選ばれた人 。プーチンさんは 、以党治国の中国共産党員 の 習近
平さん や 北朝鮮の三代目 金正恩さん とはちょっと違う 。独裁 、強権という
ところは共通していても 三人三様 、三国三様 ・・・ 。
ウクライナの東半分は穀倉地帯 、南部オデーサは小麦の積出港 、東と南をとられ
内陸に閉じ込められたら 、ウクライナは立ち行かない 。
ロシアが奪還占拠した クリミア には日露戦争の昔から セバストポリ の軍港 や
近くの 保養地 ヤルタ にはロシアのダーチャがある 。
日本の 沖縄 に 基地 と 美しいサンゴ礁の海岸 が併存しているように 。
クリミアをロシアがほっとかなかったのはまだわかるような気もする 。
本音を言えば 、プーチン・ロシア にとっては 、2014年に獲ったクリミアばかりでなく 、
ウクライナ 本土 こそ 喉から手が出るほどに欲しい土地 。
ウクライナ側の報道によれば 、
ロシアは占領地の貯蔵小麦や各種農機を略奪しまくっているそうな 。
略奪物資を 、ベラルーシからロシアへ 宅配便 で送る者もいると言うから 、お里が知れる 。
今年は 、おちおち種蒔き出来そにない ・・・ 。
ソ連時代からの原発がウクライナ全土に何か所もあり 、原発事故のあったロシア
語読み チェルノブイリ の他にいくつも稼働中の原発がある 。巨人の地雷 。
この国で「 核 」を使ったら 、東欧のど真ん中 が チェルノブイリ になる 。
山の多いウクライナ西部だけでは 、国が成り立ちにくいので 、ドニエプル川を境
にしての 半分こ は解決にならない 。沖縄 を 半分こ しても日中の解決にならないように 。
とるかとられるかしかないような 。
中途半端では終われない 、傷みを伴う 消耗戦 、
この戦争 始めたのは プーチン・ロシア 。
「 大祖国戦争 」再現 の 悪夢 。
アメリカの伝家の宝刀 「物量作戦 」以外に手はないような 気がしてきた 、
のは筆者だけ ? 。
「 核兵器 」以外の ありとあらゆる兵器を、際限なく繰り出して 、 東の国境 ( くにざかい )
まで 何が何でも押し戻す、2月24日まで「ネジを巻き戻す 」 。
プーチン・ロシアの本音が 、ウクライナ全土の掌握である以上 、2014年まで
「 ネジを巻き戻す 」覚悟でいかないと 、ダメ なのか ?
以上 、頭の中の war game 、机上演習 。
そう言えば 、文系の高校生の時 、「 数ⅡB 」で 積分 を教わり 、「 球 」の体積が
計算できた時 、感動しました 、50年以上も前のこと 。役には立たんが 、貴重な感動体験 。
今の ロシアの 若い衆 に 考えてもらいたい 、侵略戦争に命を燃やして 、一体 ロシアの何を守るのか 、
ロシア皇帝でもあるまいに 。