今日の「 お気に入り 」は 、最近読んで 、腑に落ちた論考 。
元外交官 佐藤優さん ( 1960年1月18日 - ) の「 ウクライナ戦争 」に
ついての解説から 、備忘の為 、抜き書き 。
戦争の当事国では 、皆 黙る 。戦時下だから 。非常時だから 。
皆 自分の 、自分の家族の 身を守るのに 忙しい 。
停戦が成ると 、皆 蠢きだす 。政治家も 。オルガリヒも 。活動家も 。
指導者が止めると言わない限り 、終わらない 。
でも 、権力維持のためには 止められない 。
とかく この世は 剣呑だ 。
中朝露 見ていて そう思う 。
引用はじめ 。
「 ” 価値観戦争 ” が 長期化する中 、アメリカが恐れているのは
ロシアと直接対峙することです 。アメリカがロシアと直接
対峙すれば 、第三次世界大戦が勃発して 核戦争を誘発する
可能性があります 。これは一部の専門家が言うように 、戦
術核( 短距離核ミサイルなど限定的な破壊能力の核兵器 )
レベルでは留まりません 。最終的には 、巨大都市を丸ごと
焼き尽くす戦略核の使用に行き着くでしょう 。」
「 ロシアが実験に成功した『 サルマト 』というICBM( 大陸
間弾道ミサイル )は 、世界最長の射程距離をもちます 。こ
れまでミサイルでの攻撃は北極経由でした 。しかし 、この
サルマトは南極経由も可能 。アメリカは 、南半球側からミ
サイルが飛んでくる事態を想定していませんでした 。です
からアメリカは 、南極経由の防空システムを構築できてい
ないのです 。南極経由で発射されれば 、ニューヨークも
ワシントンも壊滅します 。
こういう危険な状況で 、アメリカはロシアと絶対に事を
構えたくありません 。だから アメリカは自ら直接参戦せ
ず 、『 管理された戦争 』を長引かせているのです 。す
なわち 、ウクライナに兵器を渡しはするものの 、ロシア
軍が壊滅するレベルまでの兵器は与えない 。ロシア本土
を攻撃させない 。
なぜこういう形で戦争を管理しているのでしょう 。ロシ
アの核ドクトリンでは 、ロシア本国が核攻撃を受けた場
合 、もしくは通常兵器によって国家存亡の機に立たされ
た場合 、核兵器を使うことができるからです 。 」
「 アメリカによって管理された戦争を戦う限り 、ウクライ
ナは勝利できません 。もっと言うと 、アメリカはウクラ
イナの勝利を望んでいないのです 。 」
「 ゼレンスキー大統領が叫ぶとおり 、奪われた国土を奪還
するために必要な質量の兵器を西側諸国が送れば 、ロシア
軍をほぼ壊滅させることができるかもしれません 。ただし
全滅する前に 、ロシアはアメリカに向けて戦略核を発射す
るはずです 。
そうした事態はなんとしてでも避けなければならない 。
だからアメリカは戦争をできるだけ長引かせ 、ウクライナ
に代理戦争をやらせ 、できる限りロシアを弱体化させよう
と試みています 。
当初はウクライナとロシアの二国間係争だった様相が途中
から変化して 、西側諸国( 日本を含む )を巻きこんだ形
での両国の ” 価値観戦争 ” に位相が変化した 。なおかつ 、
西側諸国にはウクライナを勝たせる気はない 。これが新
帝国主義の時代における『 管理された戦争 』の実相なの
です 。」
「 対露経済制裁が続く限り 、アメリカは法外な値段の天然
ガスをヨーロッパ諸国に買わせ続けることができる 。
そしてウクライナに兵器をどんどん供与すれば 、アメリカ
の軍産複合体は潤う 。
アメリカの参戦はありえませんから 、アメリカ人の血は
一人も流れない 。戦費の未払い伝票は 、ヨーロッパ諸国
と日本に回ってくるのでしょう 。アメリカはビジネスと
しての戦争を 、エゲツないまでに継続しているのです 。」
引用おわり 。
sustainable な仕組み 。
何度も 何度も 買ってくれなくちゃ 、商売になりません 。無限のループ 。
悲しいが 、現実 。