「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

六つのパターン Long Good-bye 2023・07・13

2023-07-13 05:55:00 | Weblog

  今日の「 お気に入り 」 。

  備忘の為 、抜き書き 。

  引用はじめ 。

  「 この本をどんなふうに書こうか 、と考えていたとき 、一冊の

   本が目にとまった 。

    伊佐敷隆弘『 死んだらどうなるのか?  死生観をめぐる 

   6つの哲学 』( 亜紀書房  、2019年9月  )だ 。さっそく読ん

   でみると 、よく整理できている 。面白い 。そこでこの本の

   なかみを紹介したい 。

    伊佐敷隆弘氏は 、1956年生まれの哲学者 。東大大学院で哲学

   を学び 、博士論文のテーマはヴィトゲンシュタイン 、いまは

   日本大学で教えているという 。

    伊佐敷氏はいう 。

    《 『 死んだらどうなるのか 』 についての考え方には 、大きく

     分けて 、六つのパターンがある 。一人の人間の中に 、それら

     六つの考え方が 、人によって違った割合で混ざっているんだ 。

     …  まず 、六つのパターンを全部あげておくね 。

     1  他の人間や動物に生まれ変わる

     2 別の世界で永遠に生き続ける

     3 すぐそばで子孫を見守る

       4    子孫の命の中に生き続ける

     5  自然の中に還る

     6  完全に消滅する

      この六つのパターンだよ 。》」

   「 わかりやすい 。説明はいらないだろう 。言われてみれば 、

     どれも 、なるほどと思い当たる 。

      さて 、 1〜 6 をしげしげとながめてみる 。どれも 、この

     人生で 、経験的に確かめることができないことがわかる 。

      そう考えてもいいが 、証拠がない 。

     ではなぜ 、そう考えるのか 。それはたぶん 、ほかにもそう

     考えているひとが大勢いるからである 。みんなそう考えている 。

      じゃあ 、自分もそう考える 。証拠がなくても 、その考えが

    広まっていくのである 。経験的な世界から必然的に導かれる

    わけではないが 、経験的な世界と矛盾するわけでもない 。

    そんなふうに 、経験的な世界と並行する考え方 。伊佐敷氏は

      これを 、哲学とよぶ 。なるほど 。

       1〜 6 は 、素朴な考え方だ 。習俗とか文化とか 、民間信仰と

     よべるかもしれない 。たしかに死について考えようとすると 、

     このどれかになりそうだ 。 」

   「 本書はそれに対して 、宗教に焦点をあてる 。宗教は 、死につい

    て 、長い時間をかけて考えてきたからだ 。そして 、人びとを 、

    かっちりその枠につなぎ止めてきたからだ 。 」

   ( 橋爪 大三郎 著 「 死の講義 ―― 死んだらどうなるか 、

             自分で決めなさい 」 ダイヤモンド社 刊 所収 )

  引用おわり 。

  ( ´_ゝ`) 。。

 

コメント
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