今日の「 お気に入り 」。
備忘の為 、抜き書き 。
引用はじめ 。
「 日本の通貨でもっともパフォーマンスが高いのはどれかを考えた
ことがあったのですが 、私は 、500円玉が最も有能という結論
に至りました 。というのも 、1万円札は財布を飛び出した時の喪
失感が大きく 、使用するときに気を遣います 。あまり戦力になら
ない割に崩すときに若干のためらいが生じ 、5千円札は自販機で
使えないことが多く利便性に欠く 、それに比べて 、どうでしょう 。
500円玉 。全く気を遣うこともなく 、失った時の安心感と信頼
といったら 。小銭に交ざっているだけで 、チームの層の厚さにも
つながる 。これほど優秀な貨幣はあるでしょうか 。気を遣わせな
いというのは 、とても大事なことだと思います 。
( ´_ゝ`)
海外旅行 。旅の間はその土地のいい面しか感じませんが 、気に入
ったからといって住んでみると 、旅行では感じなかった部分が見え
てくる 。時には嫌な側面もあるかもしれません 。旅行して楽しい
のは 、まだ 、その土地が旅人に気を遣っているから 、嫌な側面を見
せるようになったら 、気を遣わなくなったということ 。そこで気持
ちが離れてしまうのか 、それでも愛せるか 。全てを受け入れたとき 、
旅人から住人になるのでしょう 。」
( ´_ゝ`)
「 人間関係でもそう 。誰でも最初は気を遣うもの 。中には 、あいつ
は気を遣わないやつだ 、なんてこともありますが 。例えば恋人との
接し方 。最初のデートは高級店ばかりだったのに 、徐々に庶民的な
お店に移行する 。デートらしいデートじゃなくなってくる 。たまに
はおしゃれして高級なお店に連れて行ってほしいと思う人もいれば 、
お蕎麦屋さんや牛丼屋さんなどの庶民的なお店に連れて行かれるこ
とを喜ぶ人もいます 。初めてのデートの時と同じ緊張感のまま生活
を共にするのはなかなか難しいもの 。いつまでも気を遣う相手だっ
たら 、疲れて長続きしません 。何も気を遣わずにいられる存在 。
お互いが 、お互いの日常の風景になる 。高級店に行
かないのは 、愛が冷めたわけではなく 、愛し方が変わっただけ 。
しかし 、これが通用しない場合もあります 。浮気がバレた時に
いくら『 愛し方が変わった 』と言っても 、理解してくれません 。
確かに愛が冷めたわけではないとは思います 。妻のことを愛して
いるのに 、別の女性に気持ちが向かってしまう 。
最初は 、緊張してデートをしていた相手が次第に日常の中に入り 、
そして家族になる 。二人が見つめあっていた瞳は 、やがて 、子供
たちに向けられることもあるでしょう 。愛し合っていないわけでは
なく 、愛し方が変わっただけ 。いつも当たり前に存在しているこ
とで 、一番大切なものを見失ってしまう 。履き慣れた靴の踵を潰
して履くように 、パートナーの心を潰してしまう 。大切な人が悲
しむのなら 、日常を大事にしたいのなら 。頭ではわかっていても 、
体がいうことを聞かないのでしょうね 。
当たり前のふりをして存在する日常 。我々が気を遣わずに過ごし
ている日常が 、いかに偉大なものか 。 ・・・ 」
( ふかわりょう著 「 ひとりで生きると決めたんだ 」 新潮社 刊 所収 )
引用おわり 。
500円硬貨が 、中心部と外側で色が異なる2色構造に変わっていること 、
最近になって気が付きました 。2021年から変わっているんだとか 。