今日の「 お気に入り 」。
備忘の為 、抜き書き 。
引用はじめ 。
「 物事を考える際には『 川を上り 、海を渡る 』ことが大切だ 。
今 、考えている問題に似たような出来事が過去になかったか 、
あるいは海外になかったか 。あったとすれば 、どのような経
緯をたどったか 。『 川を上り 、海を渡る 』と 、先例から学
べるとともに 、物事の因果関係がわかって腑に落ちることが多
い 。
これは 、こと国際関係を考える際には絶対に欠かせない 。
国と国のお付き合いこそ 、それらの国の間で過去に何があっ
たかという経緯が 、現在と未来の国際関係を決定づけるから
だ 。
川を上り 、歴史を振り返る際に何が基礎になるかといえば 、
中学や高校レベルの世界史だ 。
筆者はプリンストン大学に留学した際に国際政治学を学ん
だ 。そこでハイレベルの知識を身につけたわけだが 、実
は外交問題で歴史を振り返る際 、中学や高校で習った世界
史が意外と役に立った 。
歴史的経緯を踏まえることで 、現在何が起こっているかを
より深く理解し 、将来どうするのが望ましいかについても
ある程度 、確度の高い見方ができる 。
海を渡り 、海外の事例を探ってみると『 井の中の蛙 』に
ならずに 、より広い視野から普遍的に物事を考えられる 。
そこから本質が見えてくることが多い 。
国際関係について考える際 、筆者は国際法や国連憲章を
見ることにしている 。これも一つの『 海を渡る 』思考
法といえるだろう 。
筆者は 、何事に対してもまずは原理原則を用いて考える 。
経済について考える際は 、もちろん市場原理だ 。感情や
偏見の余地がいっさいない市場原理の視点から見れば 、ど
こでも誰に対しても通用するロジックで考えられる 。
国際法や国連憲章は 、市場原理ほど揺るぎないものでは
ないにしても 、世界で通用するロジックを知る手っ取り早
い方法だ 。外交を考えるとき 、まず参照するといい 。
日本の国内法だけで考えると 、井の中の蛙になりがちだ 。
どうしても日本人同士でしか通用しない議論になってしまう 。
しかし 、外交にはつねに相手国が存在する以上 、国内の視
点だけでは外交についての筋の通った考え方をしているとは
いえない 。 」
「 『 川を上り 、海を渡れ 』 これは筆者が大蔵省( 現在は 財務
省 )に入省して間もない頃 、報告書を作成していたときに先輩
から受けた指導だ 。 もちろん これは比喩的表現で 、『 川を上る 』
は 『 歴史を遡って過去の経緯を調べる こと」 、『 海を渡る 』
は 『 海外の事例を調べること 』 を意味する 。 」
( 高橋洋一著 「 FACT を基に日本を正しく読み解く方法 」扶桑社 刊 所収 )
引用おわり 。