「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

川を上り 海を渡る Long Good-bye 2023・07・27

2023-07-27 06:40:00 | Weblog

 

  今日の「 お気に入り 」。

  備忘の為 、抜き書き 。

  引用はじめ 。

  「 物事を考える際には『 川を上り 、海を渡る 』ことが大切だ 。

   今 、考えている問題に似たような出来事が過去になかったか 、

   あるいは海外になかったか 。あったとすれば 、どのような経

   緯をたどったか 。『 川を上り 、海を渡る 』と 、先例から学

   べるとともに 、物事の因果関係がわかって腑に落ちることが多

   い 。

    これは 、こと国際関係を考える際には絶対に欠かせない 。

   国と国のお付き合いこそ 、それらの国の間で過去に何があっ

   たかという経緯が 、現在と未来の国際関係を決定づけるから

   だ 。

    川を上り 、歴史を振り返る際に何が基礎になるかといえば 、

   中学や高校レベルの世界史だ 。

    筆者はプリンストン大学に留学した際に国際政治学を学ん

   だ 。そこでハイレベルの知識を身につけたわけだが 、実

   は外交問題で歴史を振り返る際 、中学や高校で習った世界

   史が意外と役に立った 。

    歴史的経緯を踏まえることで 、現在何が起こっているかを

   より深く理解し 、将来どうするのが望ましいかについても

   ある程度 、確度の高い見方ができる 。

    海を渡り 、海外の事例を探ってみると『 井の中の蛙 』に

   ならずに 、より広い視野から普遍的に物事を考えられる 。

   そこから本質が見えてくることが多い 。

    国際関係について考える際 、筆者は国際法や国連憲章を

   見ることにしている 。これも一つの『 海を渡る 』思考

   法といえるだろう 。

    筆者は 、何事に対してもまずは原理原則を用いて考える 。

   経済について考える際は 、もちろん市場原理だ 。感情や

   偏見の余地がいっさいない市場原理の視点から見れば 、ど

   こでも誰に対しても通用するロジックで考えられる 。

    国際法や国連憲章は 、市場原理ほど揺るぎないものでは

   ないにしても 、世界で通用するロジックを知る手っ取り早

   い方法だ 。外交を考えるとき 、まず参照するといい 。

    日本の国内法だけで考えると 、井の中の蛙になりがちだ 。

   どうしても日本人同士でしか通用しない議論になってしまう 。

   しかし 、外交にはつねに相手国が存在する以上 、国内の視

   点だけでは外交についての筋の通った考え方をしているとは

   いえない 。 」

  「 『 川を上り 、海を渡れ 』 これは筆者が大蔵省( 現在は 財務

   省 )に入省して間もない頃 、報告書を作成していたときに先輩

   から受けた指導だ 。 もちろん これは比喩的表現で 、『 川を上る 』

   は 『 歴史を遡って過去の経緯を調べる こと」 、『 海を渡る 』

   は 『 海外の事例を調べること 』 を意味する 。 」

   ( 高橋洋一著 「 FACT を基に日本を正しく読み解く方法 」扶桑社 刊 所収 ) 

  引用おわり 。

 

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