今日の「 お気に入り 」 。
備忘の為 、抜き書き 。
「 統計数字はウソをつかない 」という話の文脈で出てきた逸話の一節 。
引用はじめ 。
「 4択のマークシートなら4分の1は当たる 。しかし 、全体から
見れば 、適当に答えて当たる確率は大したことはない 。逆に正答
率のデータを使って 、その問題が適切かどうかも判断できるのだ 。
例えば 、すごく難しい問題にすると 、4択なら正答率が 25 %
に集約する 。みんな考えずに回答するからそうなる 。 25 %に近
い正答率だと 、これは問題が悪いと判断できる 。
筆者は国家公務員上級試験の試験員をしていたからわかる 。この
問題は経済産業省と財務省の若手が作っている 。2人で作り 、あ
とは人事院の人がサポートしてくれる 。
問題ができたら 、それをお互いに解き合って適切かどうかを確認
する 。大学教師も1人お目付け役で入るが 、ほとんど口を出さな
い 。
ときどき適切ではない問題も作ってしまうが 、それは事後的に
チェックする 。どうやってチェックするかというと 、正答率
が 25 %に近い問題はダメなのだ 。
要するに 、難しすぎるとみんなでたらめに答えてしまう 。逆
に易しすぎると 、正答率が 100 %近くになるから 、これまた
ダメな問題ということになる 。
これをもう少しきちんとチェックするには 、成績順に受験者を
4層くらいに分ければいい 。その人たちの正答率を計算すれば 、
良問なら上位の人ほどできて正答率が8割 、その次が7割 、そ
の次が5割 、下位層は3割などといった具合に 、きれいに階層
が分かれる 。
すごく難しい問題になると 、4択なら上位でも正答率が 25 %
になる 。これではダメだ 。全員の正答率が2割とか 10 割とい
った極端な割合に固まるのは 、成績との相関性がなくなるから試
験としては不適切なのだ 。
こうしたことから 統計学的にも 数学は 答えだけを見れば 、理解
しているかが大体わかる 。たまたま当たることは 、人生長くやっ
ていればみんな1例くらいはあるだろう 。当たれば超ラッキーと
いうだけだ 。
これは社会人になっても同じだ 。例えば 、新規ビジネスモデル
で何が当たるのか 、リサーチを完璧にするのは難しいし 、様々
な成功事例を探し出すのは時間もかかる 。だが 、1例だけ成功
事例があったからといって 、それで喜んではいけない 。
プレゼンテーションの際 、1例くらいはひねり出せば出てくる
だろうが 、1例目を出したら必ず2例目 、3例目を聞かれると
思った方がいい 。 」
( 高橋洋一著 「 FACT を基に日本を正しく読み解く方法 」扶桑社 刊 所収 )
引用おわり 。
その昔 、マークシート方式の試験問題があったこと ( 今もあるかも
知れないが ) や「 当て勘 」なんて言葉が あったことを思い出しまし
た 。今どきの若い人に「 当て勘 」と言っても 、「 格闘技 」や「 ボ
クシング 」の「 当て感 」ですかと訊かれてしまう 。
「 当てずっぽう 」で答えることを「 当て勘 」とは言わないらしい 。
辞書にも載ってないとは知らなんだ 。今や死語のよう 。