今日の「お気に入り」は、新潮社刊「ひとことで言う 山本夏彦箴言集」から次の「ひとこと」です。
「どこの国の旗も歌も血に染まってないものはない」
山本夏彦さん(1915-2002)のコラムの中で、この「ひとこと」が、どのような文脈で用いられたものであるかを、本書は「コラムの抜粋」の形で次のように紹介しています。詳しくは、原典である山本夏彦著「世はいかさま」を見る他ないのですが、あいにく手許に見つかりません。
「いかにも戦前は戸ごとに日の丸の旗をたてた。三大節をはじめ国民の祝祭日には必ずたてたから、俗に旗日といった。
白地に赤く日の丸染めて、ああ美しや日本の旗は――と歌った。日章旗の意匠は単純明快で世界に冠たるものだと当時はいった。それが一変して今は忌むべきものとなったのは、その旗のもとで将兵の多くが死んだからだというが、どこの国の旗も歌も血に染まってないものはない。フランスの国歌の文句のごときは『血ぬられたる旗はあげられたり進め祖国の子らよ』とアジっている。」
(山本夏彦著「世はいかさま」所収の「白地に赤く日の丸染めて」という題のコラムです。)
山本夏彦さんは、その著「二流の愉しみ」に収められている「旗なし旗日三十年」と題するコラムの中でも、同じテーマで書いておられます。そのコラムの中には次のような「ひとこと」があります。
「食いものの恨みは忘れ、旗や歌の恨みだけおぼえているのは不自然だというより、うそである。」
(山本夏彦著「二流の愉しみ」所収)
「どこの国の旗も歌も血に染まってないものはない」
山本夏彦さん(1915-2002)のコラムの中で、この「ひとこと」が、どのような文脈で用いられたものであるかを、本書は「コラムの抜粋」の形で次のように紹介しています。詳しくは、原典である山本夏彦著「世はいかさま」を見る他ないのですが、あいにく手許に見つかりません。
「いかにも戦前は戸ごとに日の丸の旗をたてた。三大節をはじめ国民の祝祭日には必ずたてたから、俗に旗日といった。
白地に赤く日の丸染めて、ああ美しや日本の旗は――と歌った。日章旗の意匠は単純明快で世界に冠たるものだと当時はいった。それが一変して今は忌むべきものとなったのは、その旗のもとで将兵の多くが死んだからだというが、どこの国の旗も歌も血に染まってないものはない。フランスの国歌の文句のごときは『血ぬられたる旗はあげられたり進め祖国の子らよ』とアジっている。」
(山本夏彦著「世はいかさま」所収の「白地に赤く日の丸染めて」という題のコラムです。)
山本夏彦さんは、その著「二流の愉しみ」に収められている「旗なし旗日三十年」と題するコラムの中でも、同じテーマで書いておられます。そのコラムの中には次のような「ひとこと」があります。
「食いものの恨みは忘れ、旗や歌の恨みだけおぼえているのは不自然だというより、うそである。」
(山本夏彦著「二流の愉しみ」所収)