理事長 丸井一郎です。
むかしむかし、アフリカでサルヒト(アウストラルピテクスなど)がヒト(ホモエレクトゥスなど)になったとき何があったのか。
火でイモ(根茎)や豆を焼いた。生のよりも早くたくさん食べられる。栄養がカロリーがたくさんとれる。時間の余裕ができる。ひろってきた肉食獣の食べ残しも焼くとおいしい。大きな骨を焼いて割ると骨髄がとりやすい。タンパク質が増えてだんだん脳が大きくなる。脳の栄養は焼いたイモ。火を普段に使えるようになった。火のおかげで夜も(洞穴などの)地面に寝ることができる。サルヒトは木の上から降りてきてヒトになった。火の通った食べ物のおかげで、あごもおなかも引っ込んですっきりしてきた。手足がますます自由になる。
火をとらえて飼い慣らす(制度にする)にはヒトビトの協力が必要で、協力にはコミュニケーションがいる。薪を集めて用意し、火が消えてしまわないよう順に番をする。たき火の周りに集まって、それぞれに採ってきたイモや豆や小さい動物の獲物や大きな屍肉を焼いて分け合う。キレやすく荒々しい筋肉男女より、他人をよく見て、自分をコントロールできる者たちの方が子孫をたくさん残せた。家族と仲間の始まり。人間らしさ、つまり食べ物を持ち寄り、火で調理し、分かち合い、おだやかにコミュニケーションすることは一つの場所、たき火の周りの家族集団の中で始まった。だれが計画したのでもないが、火と家族とは最初の「制度」になった。ヒトは自然な人工という環境を作ってその中で生きて進化してきた。
百何十万年が過ぎた。現代の研究者は我々ホモサピエンスサピエンスについて言う。
「生物としてのヒトの生きる意欲は、仲間と共にあり、円満な関係の中で人格の認知と愛着、互いの向かい合いが保証されることから生まれる。ヒトが人になるには周囲の働きかけが絶対に必要で、一定の年齢までにちゃんとした働きかけと互いのやり取りがないと、能力は発達しない。遺伝的な素質ではなく、生まれた後で、人々の間で、どのようなやりとりをしたかが決定的に大切。ことばの土台は共有のコミュニケーションであり、共有のコミュニケーションはとりわけ食事と排泄にからまる濃密なやりとりから出現する。」
共に食べることの意義は人類進化数百万年の歴史に根をもつ。信頼する人々の間でやり取りされる食べ物がヒトにとっていかに大切かということもそこに根拠がある。子どもは親が口に入れてくれるものの来歴を問うことはない。親にはその義務がある。
今、世の中には程度の差はあれ(デザインとネーミングで)偽装された食べ物が満ちあふれている。本物は「流通」しない。口に入れるものについて、大きな組織やネット通販は、必要悪であり、結局のところ信頼に足りない。顔の見える、話のできる仲間を増やすしかない。
「土といのち」へようこそ。
火をとらえて飼い慣らす(制度にする)にはヒトビトの協力が必要で、協力にはコミュニケーションがいる。薪を集めて用意し、火が消えてしまわないよう順に番をする。たき火の周りに集まって、それぞれに採ってきたイモや豆や小さい動物の獲物や大きな屍肉を焼いて分け合う。キレやすく荒々しい筋肉男女より、他人をよく見て、自分をコントロールできる者たちの方が子孫をたくさん残せた。家族と仲間の始まり。人間らしさ、つまり食べ物を持ち寄り、火で調理し、分かち合い、おだやかにコミュニケーションすることは一つの場所、たき火の周りの家族集団の中で始まった。だれが計画したのでもないが、火と家族とは最初の「制度」になった。ヒトは自然な人工という環境を作ってその中で生きて進化してきた。
百何十万年が過ぎた。現代の研究者は我々ホモサピエンスサピエンスについて言う。
「生物としてのヒトの生きる意欲は、仲間と共にあり、円満な関係の中で人格の認知と愛着、互いの向かい合いが保証されることから生まれる。ヒトが人になるには周囲の働きかけが絶対に必要で、一定の年齢までにちゃんとした働きかけと互いのやり取りがないと、能力は発達しない。遺伝的な素質ではなく、生まれた後で、人々の間で、どのようなやりとりをしたかが決定的に大切。ことばの土台は共有のコミュニケーションであり、共有のコミュニケーションはとりわけ食事と排泄にからまる濃密なやりとりから出現する。」
共に食べることの意義は人類進化数百万年の歴史に根をもつ。信頼する人々の間でやり取りされる食べ物がヒトにとっていかに大切かということもそこに根拠がある。子どもは親が口に入れてくれるものの来歴を問うことはない。親にはその義務がある。
今、世の中には程度の差はあれ(デザインとネーミングで)偽装された食べ物が満ちあふれている。本物は「流通」しない。口に入れるものについて、大きな組織やネット通販は、必要悪であり、結局のところ信頼に足りない。顔の見える、話のできる仲間を増やすしかない。
「土といのち」へようこそ。
管理人記
あけましておめでとうございます。
3ヶ日も過ぎ、そろそろエンジンをかけなくてはいけません。
好評の理事長巻頭言からスタートです。
3ヶ日も過ぎ、そろそろエンジンをかけなくてはいけません。
好評の理事長巻頭言からスタートです。