香川県宇多津町 久保食品の久保隆則です。
中国から伝来した豆腐は、日本に来て約一千年の歴史を経た伝統食品の一つですが、
50年位前から近代化路線を進めていく時代と共に、より早く、たくさん作ることを
良しとした大型工場による大量生産へと移行しました。同時に便利な化学合成添加物
の使用が増え、味の画一化が全国で進み、食文化としても貴重な地方色豊かな豆腐と
その加工品が現在も消えつつあるのが現状です。その頃から輸入大豆の使用量が増え
ていき、国産大豆の自給率は5%前後となっています。
輸入大豆で一番多いのはアメリカ産です。アメリカは約100年前に家畜の飼料用として
大豆栽培を開始し、大豆に油分のあることが分ると大豆油の生産も加わりますが、
家畜の飼料用と大豆の油の2点だけの商業穀物として生産されました。
一方、日本では、千年もの間、大豆と向かい合い「豆腐・納豆・味噌・醤油・きなこ」等と
様々な加工で食卓を潤し、日々の暮らしの中で脈々と受け継がれてきました。
これは長い年月で培ってきた日本人の叡智であり、世界に誇れる食文化です。
私が豆腐の原材料を国産大豆に切り替えたのは、1970年頃から全国で頻繁に発生していた
日本猿の奇形について知ったことからでした。淡路島のモンキーセンターでは当時、
出生する猿の8割の確率で奇形猿が生まれており、「奇形の猿が生まれる主な原因は、
飼料として与えていた輸入大豆や小麦のポストハーベスト農薬にあることがわかり、
投与をやめると1割にまで減少した。」と生態観察をしてきた中橋実氏から聞きました。
大谷英之氏の写真集「奇形猿は訴えるー人類への警告」を見た時のショックは強く心に
残っています。
海外の大豆との比較では、国産大豆の方がタンパク質、糖質が共に高く、豆腐加工には
理想的な成分ですが、国産大豆にも多くの品種があり、産地間でも品質や個性がそれぞれ
違いますので、五感を駆使して選ぶことが大切です。
私共では幸運にも、大豆(浜農場・長野県)とにがり(土佐のあまみ屋・高知県)の良い
生産者に恵まれました。両社共に食の研修活動でつながる「良い食品づくりの会」の
生産者会員です。
中国から伝来した豆腐は、日本に来て約一千年の歴史を経た伝統食品の一つですが、
50年位前から近代化路線を進めていく時代と共に、より早く、たくさん作ることを
良しとした大型工場による大量生産へと移行しました。同時に便利な化学合成添加物
の使用が増え、味の画一化が全国で進み、食文化としても貴重な地方色豊かな豆腐と
その加工品が現在も消えつつあるのが現状です。その頃から輸入大豆の使用量が増え
ていき、国産大豆の自給率は5%前後となっています。
輸入大豆で一番多いのはアメリカ産です。アメリカは約100年前に家畜の飼料用として
大豆栽培を開始し、大豆に油分のあることが分ると大豆油の生産も加わりますが、
家畜の飼料用と大豆の油の2点だけの商業穀物として生産されました。
一方、日本では、千年もの間、大豆と向かい合い「豆腐・納豆・味噌・醤油・きなこ」等と
様々な加工で食卓を潤し、日々の暮らしの中で脈々と受け継がれてきました。
これは長い年月で培ってきた日本人の叡智であり、世界に誇れる食文化です。
私が豆腐の原材料を国産大豆に切り替えたのは、1970年頃から全国で頻繁に発生していた
日本猿の奇形について知ったことからでした。淡路島のモンキーセンターでは当時、
出生する猿の8割の確率で奇形猿が生まれており、「奇形の猿が生まれる主な原因は、
飼料として与えていた輸入大豆や小麦のポストハーベスト農薬にあることがわかり、
投与をやめると1割にまで減少した。」と生態観察をしてきた中橋実氏から聞きました。
大谷英之氏の写真集「奇形猿は訴えるー人類への警告」を見た時のショックは強く心に
残っています。
海外の大豆との比較では、国産大豆の方がタンパク質、糖質が共に高く、豆腐加工には
理想的な成分ですが、国産大豆にも多くの品種があり、産地間でも品質や個性がそれぞれ
違いますので、五感を駆使して選ぶことが大切です。
私共では幸運にも、大豆(浜農場・長野県)とにがり(土佐のあまみ屋・高知県)の良い
生産者に恵まれました。両社共に食の研修活動でつながる「良い食品づくりの会」の
生産者会員です。
※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知らせ』2018年10月号より転載しました。