昨日しか空いている日がなかったので、
浜松で上映されている
「千年の一滴 だし しょうゆ」を見てきました。
これは、日仏合作のドキュメンタリーで、
第1章が「だし:大自然のエッセンス」、
第2章が「しょうゆ:ミクロの世界との対話」
の2章から成り立っています。
私は、ずっと疑問に思っていたことがありました。
それは、「なぜ、だしを『引く』と言うんだろう?」
ということ・・・。
でも、その答えはこの作品が教えてくれました。
北と南の海、山林など四季の変化を見せる
大自然の恵みを『引き』出し、生まれたものがだしなのです。
そして、 アスペルギルスオリザという1種類の麹カビが
しょうゆ、酒、みりん、味噌といった
日本の伝統調味料を生み出します。
「枯れ木に花を咲かせましょう」と声を掛けながら、
職人さんは大豆や米や麦に
アスペルギルスオリザをふりかけます。
そのカビの様子を特撮を駆使した映像で見ていると、
本当に生き生きと動き、穀物の上に花を咲かせるのです。
米麹を表す漢字に、「糀」という文字がありますが、
ここに「花」という字が使われている意味が
よくわかります。
アスペルギルスオリザの美しい動き・・・。
美味しいの「美」という字もここから来ているのでしょうか?
美味しいものの「美しさ」、日本人の叡智を強く感じます。
食に関する仕事や研究をされている方だけでなく、
子供たちにもぜひ見てほしい作品です。