読了しました。
道尾秀介の代表作の一つ『向日葵の咲かない夏』
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫) | |
道尾 秀介 | |
新潮社 |
現代ミステリー作家としては伊坂幸太郎・打海文三に引き続き、道尾秀介を追っかけています。
本書は道尾秀介作品の中でも衝撃の大きな作品で、賛否両論あった作品です。
夏休みを迎える終業式の日にミチオは欠席していたS君に書類等を届けるよう担任に言われるままS君の家を訪れる。
そしてミチオが観たのはS君が首を吊った状態で死んでいる姿。
それを見てしまった衝撃もつかの間の1週間後、S君は姿を変えて再びミチオの前に登場してくる。
「僕は自殺じゃなく誰かに殺されたんだ」
ミチオはS君と3歳の妹のミカとともに、この事件を追いかけるが・・・
主人公や登場者の子供たちが事件に巻き込まれていくことに、若干の嫌悪感を覚えるような展開ですが、ラストはもっと大きな衝撃を持って一連の事件が終える。
これは賛否分かれる、というのも納得だ。
子供でももつであろう、人生の中における現実と幻想を織り交ぜて、他人から見れば幻想なのかもしれないが、自分の中では現実として捉えて生活していく様子が、我々大人も少なかれ経験してきたことではないか。
それを見事に文章で表現している作品だと思う。
ちなみに主人公の「ミチオ」が「道尾」とかかっているのでしょうか。
まあ余談です。
次の作品はもう準備しています。
また道尾秀介です。