光圀伝
2020-08-06 | 本
読了しました。
沖方丁『光圀伝』。
以前から気になっていた作品でした。
徳川光圀公。
TVで隠居後に助さん格さんを伴って悪人を成敗していくのはよく見ていましたし、最近だと湊川の合戦で亡くなった楠木正成の墓碑「嗚呼忠臣楠子墓」を書いたことを知りました。
まあTVでのご活躍は多分なフィクションとは知っていましたが、この本で描かれている水戸光圀公の功績を改めて知り感慨深いものがあります。
要約はWikipedia等見ていただければ分かりますが、江戸時代の初期という戦国の世から知見の世に移りゆくさまにおいて、すごい賢人だと思います。
文武を極め、当代随一の歌も読める。
とても西村晃じゃないですよ。
沖方さんのストーリーの組み立て方、展開の速さ、登場人物のキャラクターの作り込みいずれも素晴らしい。
『天地明察』同等以上の作品かもしれません。
すごく内容の濃い作品でした。
こういう人物の話を読むに連れ、何とか彼の「脳」を残せていたらなーと現実離れしたことを思ってしまいます。
もちろん彼の想いは「歴史の中で生きた人を残す」という一点で、彼の知の一部は「大日本史」を作ることで現代まで残っていますし、歌人としての光圀公の作も多く残っています。
しかし彼の全てを残すためには「脳」を残して分析することが一番なんじゃないのかな。
今AIとかで人間の脳に成り代わることを研究されていますが、そのうち亡くなった人の脳がAIと組み合わせることで、光圀公の思想というのがもっと明確になったりしないのかな。
これも昔から個人的に思っていた、「俺が死んだら俺の思い出とか全部消えるんだよね」っていうちょっと死後の悲しい結果を踏まえていたりします。
オレの脳とAIをつないでくれたら、オレの脳が意識をもって娘や孫にも話しかけられるんじゃないのか。
・・・・・ルパンの世界観ですね笑
もしそんな技術ができてもオレなんかより残すべき知の巨人たちは大勢いるのでワタシに回ってくることはないんでしょうが、体がなくとも人の世を更に良いものにするためには過去の偉人の知恵をそのまま重ねていけばタイムロスすることなく進めることができるかも。
・・・・なんてことまで考えさせてくれるような光圀伝でした。
ぜひご一読を。
偉人伝のようですね。どうもこういう感じの本はほとんど読まないですね。
江戸時代の小説は好きですが食わず嫌いなんでしょうか(苦笑)
山本巧次さんの本は読みやすくて好きです。「大江戸科学捜査 八丁堀おゆう」
シリーズ大好きです。まだ続いています。
風野真知雄さんの「わるじい」シリーズ大好きです。
お堅い本が好きなんですか?
どちらかというとフィクションの歴史物を好まれるんでしょうか?
ワタシは比較的ノンフィクションよりのフィクション作品が好きですね。
でもワタシも江戸物はなかなか読むことが少ないですね。
多分大河ドラマ系が大好きです。