楠木正成
2020-07-22 | 本
ようやく読了。
北方謙三『楠木正成』。
日本史の授業で軽く流して聞いた程度の知識しかなく、足利尊氏と戦って戦死したくらい。
しかし「大楠公」の名で戦国武将、江戸期の学者、維新の志士達、そして庶民まで広く支持されたと聞くに連れ、どのような人物だったのか知りたかった。
また現在の大河ドラマ「麒麟がくる」で室町時代末期を扱っていることから、そもそも室町時代とは何だったのか、室町幕府はどのように成り立ったのか、楠木正成本人もさながら時代背景を追ってみたかった。
鎌倉幕府を倒幕するために後醍醐天皇に加担し、幕府軍2万5千に対し300名で対決、三ヶ月半ほどの籠城戦を戦い抜いたそうです。
その後ともに倒幕した足利尊氏と後醍醐天皇が対立し、いち早く天皇側の劣勢に気付きながらも、最後まで忠誠を尽くし戦った武将。
私利私欲のない正義と忠誠の心。
これに支持が集まったのです。
北方謙三は楠木正成の男意気をこれでもか、と描いています。
また単に戦闘、政争だけではなく当時の芸能文化にも触れています。
もちろんノンフィクションとは言えないでしょうが、非常に緻密に正成の生き様を調べて書かれているように思います。
日本史に関して言えば、どうしても戦国時代のほうが描かれるケースが多く、ワタシ自身も興味を持ち続けていましたが、その前の時代を知ることで改めて戦国時代が訪れた背景が少しわかった気がします。
北方謙三の室町時代シリーズは非常に面白く、現在は『道誉なり』で婆娑羅大名 佐々木道誉を読んでいます。
もちろん楠木正成も登場しますし、足利尊氏に対してより深く描いています。
他にも『悪党の裔』では楠木正成と親交のあった赤松同心を扱っています
今ワタシの中では室町ブーム・北方ブームがキテいます。
コロナ騒ぎが収束したら神戸・湊川や千早赤阪村界隈を散策したいと思います。
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