空気を吸えば、体全体の2%は水の上に浮く
体を浮かせる仕組みについて、松本さんはフリップを使いながら次のように説明します。
「人間は空気を吸うと、体全体の2%だけ水に浮くようにできています。
背浮きをすると、顔がその2%になります。
顔が水面から出ていれば、鼻や口で呼吸ができますね。その状態で浮いていれば、溺れることはありません。
しかし、足が下になるとどうなるでしょうか。
体が縦になりますから、水面から出る2%は頭のてっぺんになり、顔は水面下に沈んでしまいます。
これだと呼吸ができず、溺れてしまいますね」
足が下にならないように、できるだけ足を浮かせていなければなりません。
それには、どうすればいいのでしょうか。
そこで、持ってきた靴をプールの中に放り投げました。
すると、靴は水の上に浮かびました。
「靴は水より軽いから、こうやって水の上に浮かびます。
つまり、靴を履いていたほうが、足が浮きやすいんです。
では、ランドセルはどうでしょう。
教科書が入っていて重いから、沈むかな?」。
そう言うと、ランドセルをプールに放り投げました。
すると、ランドセルも水の上に浮かびました。
「ランドセルや靴のように、水に浮くものを身に着けていれば、体が浮きやすくなります。
僕らは、こういった水に浮きやすいものを『浮力体』と呼んでいます。
友達が溺れていたら、友達に向かって身の回りの『浮力体』を投げてあげてください。
このとき、自分が友達を助けに行くのは、絶対にダメ!
大人でも、溺れる子どもは助けられません。
だから、すぐに『消防119番』で救助隊を呼んでください」