在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

イタリア コロナ ロックダウン状態の中で 徒然16 年齢別、男女別の致死率

2020-04-02 05:34:34 | もろもろ、つれづれ




イタリアは、第2の局面に入った、ということだが、一応のピークを過ぎ、いよいよ、ゆるやかでも下り坂へと向かうことになりそう。

でも、本当にしぶとく、油断してはいけないということは、イタリアの国民のほとんどがわかってきていると思う。

それは私も同じで、まさか、ここまでとは思っていなかった。

津波のよう、という表現がされているくらいである。

でも、家が流れたわけでも、街が崩壊したわけでもないので、はるかにマシだろう。

しかし、この死者の数は、明らかに異常の範囲である。


今日の新たな感染者は昨日の数(2100人)を上回り、3000人近い。
でも、検査数も昨日の約30000件から35000件近くに増えているため、単純に増加数だけを見ない方が良いのだろう。
しかし、死者数は、今日も700人を超えている。

幸い、身近なところに亡くなった方はいないが、病院に運ばれてから、面会することもできず、最後のお別れすらままならない状態だと思うと、心から胸が痛む。
このコロナは、それくらい感染力が強いということである。

歴史の中にみるペスト並みと言えるかもしれない。


さて、日本の年齢別の割合を見たが、日本の場合、外国からの帰国者による感染が多いためか、若い人が異様に多いと思った。

若い人の中には無症状の人も多いだろうし、日本で、どうかこれ以上広がらないよう祈るばかりである。


いつも見ている新聞 La Repubblica に掲載されている  GEDI という出版団体が作成している統計が非常にわかりやすく、参考にさせていただいているため、本当は掲載はいけないのだろうが、日本の方にもわかっていただきたいという希望を込めて、以下、数値を記してみる。
3月30日のデータに更新されている。


年齢別、男女別の致死率

          男性    女性
90歳以上    36.55% 21.38%
80-89 34.12% 21.19%
80-79 23.11% 13.9%
60-69 8.59% 4.23%
50-59 2.92% 0.87%
40-49 1.14% 0.37%
30-39 0.58% 0.06%  男性18件 女性2件
20-29 0.06% 0.05% 各1件



これが元の表。
若いほど致死率が下がるのは明確なのだが、もし、自分が感染した時、その少ない確率の方に入ることもあり得る。
だから、くれぐれも気をつけて。

とにかく、手洗い。ひたすら手洗い。

なぜか数字がうまく表示されないが、わかると思うのでそのまま。(ごめんなさい)


イタリア コロナ ロックダウン状態の中で 徒然17 BCG とスゥェーデン

2020-04-02 05:34:34 | もろもろ、つれづれ



今日のイタリアの新しい感染者数の増加は、やはり2000人を超え、2500人近くなった。

ただ、検査数がほぼ40000件(昨日は35000件)と増加しているため、ここ10日ほど、4−6件の検査に対して1件が陽性だった時と比べると、9件に1件の割合となり、確かにわずかに現象の傾向が見られるというか、少なくとも横這いであるということが言える。

しかし、死者は相変わらず700人を超え、胸が痛む。

医師も70人近くが亡くなり、医療従事者の感染は10000人を超えた。

自分も死にたくはないが、家族の死はもっと心が痛み、知り合いの知り合いでももちろん、どこの誰かわからない方の死でも、ほぼ突然の死、最後に家族に一目でも会えなかったかもしれないという死を迎えただろうと想像するだけで、心か痛む。


日本でも感染者が日に日に増え、コロナの恐怖が迫ってきている感じではあるが、イタリアの状況とは、「0」が一つ完全に違う。



日本の友人から、日本で感染者数が少ないのは、BCG予防接種をしているという要因もある、という話を聞いた。

なるほど。

だいぶ研究され、実証されてもいるようだが、確かに、BCGの予防接種をしている国と、全くしていない国には感染者数に大きな違いが出ている。

単純には言えないようだが、致死率も低くなっているよう。

イタリア人の親しい医師の友人に話したところ、似たような論文を読んだことがあるというので、少しは知られているのだと思った。

BCGか。。。確かに、イタリアでは誰もやらない。



こちらのオンライン新聞に、スウェーデンの記事が出ていた。

スウェーデンは、ヨーロッパの中で、封鎖という処置を取らない珍しい国である。

イギリスが方向転換したように、スウェーデンも方向転換することがあるかもしれないが、このやり方は割と支持されているようなので、このままいくような気がする。

かなり大胆な実験ではないだろうか。

普通にお店が開いていて、普通にショッピングをして、普通に家族、友人と会い、時間を共有できる。

羨ましい。

でも、スウェーデンだからできる、スウェーデン人だからやっていけるような気がする。



このやり方は、どこの国にも適しているわけではない、というが、特にイタリアでは、無理だろうなー、絶対に。

人間の距離が近すぎるし、人間同士の関係が「濃厚」だし、スウェーデンの人たちのように、ちょうどよい距離の関係を保つのは、イタリア人にはできない芸。

感染者、死者が増え、コロナが少しづつ身近なものになってきて、また、罰金の金額が大幅に上がり(今は最低400ユーロ=45000円)、しぶしぶ従うようになっている状況。

やっと、公園、浜辺などをジョギングする人、散策する人がやっといなくなった。

でも、スウェーデンの方式を考えると、どれが正しいのかわからなくなる。



この方式は、日本人にはできるかもしれない。

日本人は、家族とでも、大人同士なら触れ合うことはあまりないし、自粛してください、って言ったら、多くの人が従う。
もともと清潔な国だし、衛生状態も違う。
イタリアには(ほぼ)ない、リスペクトがある。

だから、日本もスウェーデン式が取れたらよいのに。
そうすれば、日本の経済もわずかながら救えるだろう。

でも、少しでも感染者を増やさないためには、とにかく、外出を控える、頻繁に手を洗う、自分もすでに感染しているかもしれないと思って行動をする。

どうか、頑張って。