在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

イタリア コロナ ロックダウン状態の中で 徒然42 3密に、あちゃ〜

2020-04-20 19:57:15 | もろもろ、つれづれ



日本で再び(ダイアモンド・プリンセス以来)、コロナの危険性が話題になり、今度はいよいよ本格的に危なくなりそうだと意識しだした頃、聞くようになった、3密。

サンミツ。。3ミツ。。。3密。。。?


ずれてる。。。。。

と思ったのは私だけではないと思う。


三密を避けよう

つまり、3つの密を避ければ良い、という発想に簡単につながる。


確かに、コロナは、エアロゾル的にどこからか飛んできて感染する、という可能性はゼロではないのだろうが、一般には濃厚接触者の感染が多い。


だから、

郊外、海や山、人のいないところで(換気に問題はない)、数人で(密集ではない)、おおらかに過ごしていれば(密接ではない)大丈夫でしょう

と解釈できる。



確かに、家族で、自家用車で山に行って、自然の空気を吸い、3密を避ければ、感染しないだろう。

しかし、同じような発想の人たちが、同じような場所に行き、それでも大自然の中で3密ではないにしても、その途中で立ち寄るだろうドライブインで3密状態になるかもしれない。
トイレでの感染の危険性、ドアノブや、お土産の箱に菌が付いている可能性、状況も考えられる。

だから、そういった可能性を少しでも避けるために、そして、まだコロナがたどり着いていないかもしれない場所に絶対に持ち込まないために、重要なのは、

一人一人が、できるだけ外へ出ないこと

なのである。


そうなると、家で優雅に犬と戯れ、お茶を飲む。
皆さんも一緒に〜

の発想になるのか、と思うと。。。。。もう、救いようがないかも、と思う。


結局、ずれているのだと思う。



大きな不安は残るが、どうか、一人一人が認識を少し変えよう。


3密(だけ)が重要なのではない。
できるだけ外出を控える。
買い物、通院、溜まったストレスの発散など、用事があって外に出る場合は、最低2メートル程度のソーシャルディスタンスを取る。
マスク着用、特に外では、絶対に顔を触らない。
家に帰ったら、手を洗う。とにかくしっかり洗う。

うがいも、上着を取ることも、買ったものを玄関にしばらく放置するのももちろん良いが、とにかく重要なのは

「人との距離をちゃんと取ること」と「きちんと手を洗うこと」。

この2つは、口がすり減っても言い続ける、とイタリアの専門家が話していた。

そして、日本では、特に、ストレスをできるだけ溜め込まないように。


イタリア コロナ ロックダウン状態の中で 徒然41 コロナと算数 

2020-04-20 16:31:25 | もろもろ、つれづれ



私は分科系なので、理科系はめちゃくちゃ苦手である。
だから、算数も。

でも、コロナは、算数(正確には数学)のなんかの方程式に当てはまるような気がした。


今日、新しい感染者が出ました、という記事があっても、それは、「今日」感染したわけではなく、おそらく、10日から2週間前に「すでに」感染していた。

感染日 + ここで症状が出てくる(5日) + 熱がどうも下がらないようだ(4日) + センターに電話するが繋がらない(2日) + やっと検査をしてもらえた(1日) + 待ちに待った結果が出た(2日)

つまり感染者として統計にカウントされ、(たぶん)新聞に載るころには、実際に感染した時から早くて10日、遅ければ20日くらい経っていることになる。

参考までに、6日から7日で発症する人が多い、とイタリアの専門家が語っていた。
ただし、もちろん、人によりバラバラである。


症状が出る(もちろん出ない場合もある)3日前には感染力があるというので、最初に感染した人が、感染した日から3日後に、濃厚感染者を感染させる。
その人の感染がわかるのは、さらに約3日後。
その人がまた別な人を感染させると、またらさに約3日後に、やっと統計に載る。

裾が広がっているので、どんどん、感染者が増える。

ネズミ講に近いような連鎖反応だと思う。


3月20日に連休があった。
連休が明けて、なんとなく、感染者が増えました〜という「イメージ」があったが、このころ感染がわかった人たちは、3月の初め頃にはすでに感染していた。

連休は、思うより人出があったということなので、その時の感染者の増加は、4月に入って判明し(だから政府が焦った)、緊急事態宣言が出て、日本全国、本当に外出が減ったのなら、その結果は、今週頃出るはずである。

ただし、潜伏期間が思うより長いので、本当の結果が出るのは来週にずれ込むと思う。


この辺り、コロナの「現状」が判りにくい原因の一つだと思う。

つまり、今日の私たちが取った行動の結果が出るのが、早くて10日、おそらく2週間先、だから、明日、希望の光を見るためには、今日の行動を考える必要があるということである。


用事がなければ、家にいよう。




イタリア コロナ ロックダウン状態の中で 徒然40 コロナは目に見えない敵 

2020-04-20 03:42:36 | もろもろ、つれづれ



緊急事態宣言が全国に拡大された。

イタリアで、最初は北イタリアだけ、その後、すぐに全土に拡大された時、そこまでしなくてもと思ったことがあるので、同じように思う人の気持ちがわかる。
しかし、全国まで広げないと、このしぶといコロナは終息しない、というより、終息の影も見せないということがよくわかった。

本当にこのコロナはしぶとい。それくらい、しぶとい。


最初は、日本では、まだコロナの正確な情報が少なかったと思うが、今は逆に、情報過多なのではないかと想像する。
しかし、ある程度コントルールしていかないと、ストレスだけが溜まっていくので、どうか気をつけて。


日本は住宅事情が深刻で、スマートワーキングをするのは良いが、するほうも慣れなかったり、されると邪魔だったり、子供たちの学校に依存する時間が長過ぎることもあり、親も子供も半端ないストレスが溜まっていると思う。

イタリアは、アパートでもある程度の広さはあるし、スマートワーキングもまあまあ進んでいるし(もちろん都市による)、学校はもともと半日だったりするので(終日ももちろんあるが)、日本よりは容易に(もちろん容易ではなかったが)封鎖に対応できただろうと思うのは幸い。


日本では罰則があるわけではないし、完全な封鎖ではなく、かなりソフト。
だから、大都市の中心からは人が少なくなったとはいえ、郊外に「大丈夫だろう」と思い、子供達を連れてドライブに行く、というのが増えているように読んだ。

しかし、できるだけ、本当に、できるなら避けたほうが良い。
住宅事情はあれども。


このコロナは、想像よりはるかに感染力が強い。

イタリアの南部も、一時期爆発的に感染者が増えたが、ほとんどのケースが、北イタリアからなんらかの形でもたらされたものだった。

何気なく疎開、何気なくドライブ、何気なく親に会っておこう、何気なく。。。が、怖いのがこのコロナ。


地方にいる親も、「こっちは安全だから、ちょっとでも羽を伸ばしにいらっしゃいよ」とは言ってはいけない。

息子、娘が、「何気なく」羽を伸ばしに来て、高齢(でなくても)の親が亡くなってしまうという事態に発展するかもしれないから。

だから、親は、自分のことを考えたら、子供は、親のことを考えたら、「気軽に」親に会いに行くのは避けたほうが無難なのである。


症状が出ていたら、誰もそんなことはしないだろう。
しかし、無症状の患者がどれだけ多いか、症状が出る前は少なくとも3日前から感染力がある、ということはよく理解したほうが良い。
つまり、潜伏期間の14日間、誰とも接しなかった人は、おそらく感染していないだろう、しかし、そうでなければ誰でも感染している可能性はある、ということになる。


イタリアは、まだ、新しい感染者、死者ともにかなり多いのだが、それでも、入院患者が毎日現象していて、(一応の)終わりの光が見えてきている。

しかし、このコロナは、「実態」が見えるのが、感染から10日後前頃になるため、復活祭(4月12日)で多少の移動があった、その(悪い)結果が来週あたり出てくるかもしれない。

それでも、イタリア平均、90%かそれ以上の移動の減少を実現しているため、一時的なものになるだろうし、遠くに見える光は消えないだろう。


日本は、まだ、連休のツケが見えるし、緊急事態宣言が出されても必ずしも移動が減っているわけではないようなので、長引くかもしれないことは覚悟したほうが無難だと思う。

だからこそ、家にいられる人は、できるだけ家にいたほうが良い。


100人が集まっても、そこに、一人も感染者がいなけれ何も起こらない。

しかし、そこに、たった一人の感染者がいたら、連鎖反応で、少なくとも20人、多くて50人が感染者になる。
面倒なことに、その連鎖反応がすぐにわからない。
1週間後、2週間後、になってしまう。

そして、そのたった一人の感染者が、他の99人と同じように、熱も咳もなく、いたって普通、という状況が強いのである。

コロナは本当に、目に見えない敵。


日本にも必ずコロナ終息の光は見えて来る。
だから、あともう少し、どうか、頑張って欲しい。
遠くイタリアから応援している。