記録だけ 2009年度 93冊目
『叢書 史層を掘る 第V巻 漂泊する眼差し』
編著者 赤坂憲雄
株 新曜社
347ページ ?円+税
先週の木曜日から『叢書 史層を掘る 第V巻 漂泊する眼差し』を読み始め、ただいま読了。
【叢書 史層を掘る】は、私の好きな赤坂憲雄先生が編著されているシリーズらしい。
当然、いろいろな先生方の共著。
興味深いものもあり、また難しいものもある。
芸能関係の話を書かれたものも多く、興味深い。
また、『サンカ』(佐伯修氏)も改めて読むと、思い出すことも多く、確認の上で参考に成った。
赤坂憲雄先生の子守り唄の話以前にも文庫本で楽しんだが、読み物としても面白い。
巫女の話(池上良正氏)と遊女の項で『歌垣』を書かれた猪股ときわ(女〕氏、『折口信夫』を解かれた中村生雄氏、『帯と貞操』のおなじみの金森敦子女史のお話、田鳩由美男氏の書かれた『沖縄のニンブチャー・チョンダーラー』などもありバラエティに富んでいた。
興味深いところでは、43ページから書かれた能楽の話。
徳江元正は垂髪の猿楽者藤若(世阿弥)とその保護者義満の間に若道(男食)の関係が,云々。
『桜川』(世阿弥)→義満(寵愛)→「乞食所行」(猿楽者)→芸道精神(武家の式楽)
世阿弥、あなたもか!・・・であった。
これは私に撮ってはこの本を読んだ大きな収穫。
巻末には『若い人のために』が親切に載せられている。
参考図書がずらりと並び、ありがたい。
最後に、今後読みたいものを記録しておこう。
桜井徳太郎 『日本シャマニズムの研究』上・下 吉川弘文館 1988
楠正弘 『庶民信仰の世界ーー恐山信仰とオシラサン信仰』 未来車 1984
田中克也 『サンカの研究』新泉社 1987
赤坂憲雄 『異人論序説』 砂子屋書房 1985