乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

98; 『塩月弥栄子の和食の作法』おいしく楽しく美しくいただく  1991年 講談社

2010-06-19 | 読書全般(古典など以外の一般書)





2010年度 98冊目  




              カルチャーブックス

              『塩月弥栄子の和食の作法』おいしく楽しく美しくいただく

  



 塩月弥栄子 著
 
 講談社

 講談社カルチャーブックス

 1991/09/30

 143ページ 1529円




 本日三冊目は講談社カルチャーブックスの『塩月弥栄子の和食の作法』おいしく楽しく美しくいただく  

 役に立ち部分と絵に描いた餅的部分がはっきりわかれ、面白い。

 昨夜遅く息子が帰ってきたので、今日の昼食は久々家族四人がそろう。

 わたしが『塩月弥栄子の和食の作法』内容を話していると家族はまたかといった表情。

「おかぁさん、その本の盛りそばの食べ方もおかしいが、お母さんのこだわりも理屈っぽいわ。」
とあきれかえられた。



   本には蕎麦つゆに薬味を入れ,蕎麦は汁にくぐらす

   握りすしが大きい場合はご飯部分を半分に割って先に食べ,魚で残りのご飯を包んで(まいて)食べる


 上のように書かれていた。

 開高健さんの「王様の骨抜き鰯」は美味しくなかったといった記述を思い出す。



 





 食事作法プラス「和」の作法の本。美しく和食をいただく、すべてを網羅
 正しい箸の使い方から、日常の食事、外出先やおよばれの食事、懐石料理の作法まで。伝統の和食の作法のしきたりをここに
「和」の作法を知っていれば、美味珍味ももっと楽しく、おいしく、美しくいただける。

コメント (2)
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97; 『生活保障』排除しない社会へ  宮本太郎著 2009年11月 新潮社 新赤版

2010-06-19 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(  「その◯◯、しばらくぅ、しばらくうぅぅう。」
   と,申したい。


                    歌舞伎 『暫』     )




2010年度 97冊目  





              『生活保障』排除しない社会へ

  



 宮本太郎 著
 
 新潮社

 新赤版1216

 2009年11月

 228ページ 840円




『生活保障』排除しない社会へ を読了。

 最近騒がれているベーシックインカムの問題点に突き当たり,社会全体を考えての弱者切り捨ての怖さに恐怖心さえ感じる。

 これは自分のことではないと言いきる人も、流行のようにベーシックインカムを唱える人も,弱者に目を向ける余裕を持ち,今一度何が正しいのか,何が必要かを考えた上でその効用を発してほしい。

 特にホリ◯モンさんのような成功者は人一倍ひずみに悩まされ喰うに困る人たちにも目を向けていただきたい。



 先日消費税UPの記事が出ていた。

 税金UPは総理が変わった時点で、はっきりとわかりきっていたこと。

 また国民も半数以上は消費税が高くなることは仕方がないと思っていただろうし、この本にも書かれていた。

 むしろ今回は10%にとどまったことを良しとしなければならない。

 国民は税が上がる前に襟元を正してほしいと思っていたと本書にも書かれていたが,そういったことは一時的で一方通行と笑うしかない。

 タイムリーに書かれたはずのこの本が今や過去のものと化す時代の流れの速さにただただ驚いている。

 親方日の丸だったは図の銀行神話が崩れた時点でわたしたちは何が怒っても不思議に感じない、そう思わざるを得ない自分達が不憫でならない。

 今の若人はわたしのようにいい時代を知らない。

 苦悩が待ち構える悟り時代の若者に,せめて借金を増やさない国家であってほしいと切に願うのである。



                            と、友人が言っていたとでも言っておこう。

 
 

 






    新潮社 ▼ 目次


 はじめに―生活保障とは何か
 

第一章
断層の拡がり、連帯の困難
 
1 分断社会の出現
2 連帯の困難
3 ポスト新自由主義のビジョン

第二章
日本型生活保障とその解体
 
1 日本型生活保障とは何だったか
2 日本型生活保障の解体
3 「生きる場」の喪失

第三章
スウェーデン型生活保障のゆくえ
 
1 生活保障をめぐる様々な経験
2 スウェーデンの生活保障
3 転機のスウェーデン型生活保障

第四章
新しい生活保障とアクティベーション
 
1 雇用と社会保障
2 ベーシックインカムの可能性
3 アクティベーションへ

第五章
排除しない社会のかたち
 
1 「交差点型」社会
2 排除しない社会のガバナンス
3 社会契約としての生活保障

 おわりに―排除しない社会へ
 あとがき
 参考文献

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 生活不安を解消する、新しい社会ビジョンとは

 「貧困や格差の拡がりを目の当たりにし、犯罪や自殺の増大にかかわる報道に接するたびに、足下が底割れしていくような感覚が拡がっていく」と著者は言います。多くの人々が生活に不安を感じ、あるいは、社会からの疎外感にとらわれるような現在の社会は変えていかなければなりませんが、いったい、何をどう変えればいいのでしょうか。問題は複雑に絡み合い、非常に困難な作業が待ち受けています。

 本書は、多くの人々が就労でき、あるいは社会に参加できる「排除しない社会」をどう実現するのかについて論じています。そこでの切り口となるのが「雇用」と「社会保障」を結びつけて考える「生活保障」というキーワードです。日本の過去と現状を振り返り、これからの「生活保障」のあり方を考えます。スウェーデンなど欧米の経験も参考にされますが、安易な国外モデルの導入ではなく、日本型の生活保障をどう再構築するかが議論の中心となります。

 社会保障や雇用の政策について扱っていますが、私たちが「生きる場」をどう確保するのか、互いに認め合える社会とはどういう社会か、といったテーマも重要な要素として取り上げられています。その中では、秋葉原殺傷事件の犯人についての考察なども行われています。

 これからの社会保障政策のかじ取りをする政治家や官僚はもちろん、すべての働く人、あるいはそれぞれの事情で労働環境から離れている人たちが、これからの社会について考える際にぜひ読んでいただきたい一冊です。

(新書編集部 安田 衛)


■著者紹介
宮本太郎(みやもと・たろう)氏は、1958年東京都生まれ。中央大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学後、ストックホルム大学客員研究員、立命館大学教授などを経て、現在は北海道大学大学院法学研究科教授。
 著書に『脱「格差社会」への戦略』(共編、岩波書店)、『脱「貧困」への政治』(共著、岩波ブックレット)、『福祉国家という戦略』(法律文化社)、『福祉政治』(有斐閣)、『福祉国家再編の政治』(編著、ミネルヴァ書房)、『比較福祉政治』(編著、早稲田大学出版部)などがある。


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96; 『夜のミッキー・マウス』 谷川俊太郎著 2003年 新潮社

2010-06-19 | 読書全般(古典など以外の一般書)




2010年度 96冊目  





                    『夜のミッキー・マウス』

  



 谷川俊太郎 著
 
 新潮社

 2003/09/25

 107ページ 1,575円



『夜のミッキー・マウス』というタイトルをみて、谷川俊太郎さんも離れている間にそういったかとほくそ笑む。

『夜の   』といえばセンダックや『真夜中の   』の木村泰子を思べ、好感がもてるがあとにミッキー・マウスがつくとやたら気恥ずかしい。

 しかし詩を読み進むと谷川俊太郎惨らしい言葉遊ぶが感じられる。

 中でも「よげん」は仮名が並び、まるで呪文のようで好きだった。




    
   よげん

きはきられるだろう
くさはかられるだろう
むしはおわれ
けものはほふられ
うみはうめたてられ
まちはあてどなくひろがり
こどもはてなずけられるだろう
そらはけがされるだろう
つちはけずられるだろう
やまはくずれ
かわはかくされ
みちはからみあい
ひはいよいよもえさかり
とりははねをむしられるだろう
そしてなおひとはいきるだろう
かたりつづけることばにまどわされ
いろあざやかなまぼろしにめをくらまされ
たがいにくちまねをしながら
あいをささやくだろう
はだかのからだで
はだかのこころをかくしながら


 新潮社 ▼

谷川俊太郎 著

この上ない言葉たちが誘う、この上ない世界とのかかわり方。新たな新鮮な詩集の誕生。

買っておけばよかったと思うものは多くはない もっと話したかったと思う人は五本の指に足らない 味わい損ねたんじゃないかと思うものはひとつだけ それは美食に渇きつつ気おくれするこのぼく自身の人生――意外な表情のミッキーや鉄腕アトムに出会い、世界と交合し、魂の彷徨を尾行する。書下ろしを含む、単行本未収録の29編収録の最新詩集。

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某展示室を見たあと、土師器・須恵器の違いで遊び、唐草文様でまどろむ。

2010-06-19 | 美術・文様・展示物





 これ、ころころとした形で、かわいいと思いませんか?

 某町にある土師器の一つで、10㎝内外の小さな土器です。

 

 土師器、須恵器の違いを調べると土の堅さまで違い、結構面白いことになってきます。

 時間がいくらあっても足りないので小一時間と決め込んで、昨日は『土師器、須恵器の違い』で遊んでいました。
 
 それにしても,本当にかわいらしい形。



 上の土器の説明がありました。

 どれどれ、地名は載ってないと確認^^OKです。載せておきましょう。



 上は古墳時代中期のミニチュア土器。祭儀用に使用されたという。

 こういったミニチュアものは器の他 動物や食べ物も作られている。

 実際ミニチュア食べ物などを目を凝らしてみて見たが,お芋なのか穀物なのか何がなんだかわからないから、おもしろい。

 想像巧みに,各個人が楽しむことができる。



 この展示室はわたしは今回で三度目。

 わたしは勝手に自分のテーマを設け,展示室を楽しんでいた。

       一度目;唐草文様と水銀朱と銅鏡

       二度目;唐草文様と瓦

       三度目;唐草文様と土器と埴輪

 一度目、三度目は歴史関係講義のあとに拝見させていただいたので、時間はすこぶる短い。






 上二枚は去年の秋に撮った同展示室の偏向唐草文の瓦。



 学生時代から唐草文様の好きなわたしは瓦などの文様にだけは必ず目がいってしまう。

 唐草文様を初めに意識したのはスペインのアルハンブラ宮殿。

 とにかく美しくて、夕方になるまで一人で宮殿を歩いていた。

 暗くなってアルハンブラ宮殿を跡にする坂道。

 左手には一見の居酒屋風のお店のオレンジのライトが暖かだった。

 二十歳そこそこの女一人。海外出の女一人歩きは、日が暮れると危険だ。

 夕刻に店に入るのも怖いので店を遠目に、息が切れるほどの急ぎ足でホテルに向かう。

 今もあの店は健在か?

 唐草文様に思いを乗せて、行ってみたいなと思う今日この頃。



 中東では当たり前のようにどこかしこで唐草文様。

 これにはまいった。美しすぎる。

 唐草文様への思い、それは渦巻きが連鎖し、飽きることがない。



 唐草文様の分布図を見ると,結構広範囲。

 もちろん中国でも多く見ることができる。

 唐草文様も色々あって楽しいんじゃない?と一人ほくそ笑む。

 



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團菊祭五月大歌舞伎 夜の部 『本朝廿四孝 十種香』『京人形』『髪結新三』 2010年(写真11枚)

2010-06-19 | 歌舞伎

(写真は全て5月15日に写したもの。)




























 5月15日。

 もう随分前のことになるが、家族と團菊彩の夜の部へ行った。

 その数日前には一人で昼の部を楽しんだが,家族と一緒というのは嬉しい。

 わたしたちは少し早めに大阪に向かい、道頓堀界隈を歩き、感激前の儀式。お茶とケーキを楽しむ。

 芝居を堪能、帰りには食事とお酒といったのが、いつものパターン。

 ただ夜の部の場合店によってはラストオーダーが早く、一時間内外ほどしかゆっくりできないのが残念。

 この日は最後に『髪結新三』を観たためか、やたら体が熱い。

 いつもは和食と冷酒といった組み合わせが多いが、ビールが飲みたい。

 よってJR難波に近いアサヒスーパードライに入り、黒ビールをかなり飲んだ。(まぁ!おはずかしいこと^^)

 團菊祭にも『髪結新三』にも、キンキンに冷えたビールグラスにつたわる魅力的な水滴が似合う。

 

 さてさて、團菊祭の夜の部。

 まずは何度も観たことのある『本朝廿四孝 十種香』

 時蔵丈も菊之助丈も好きな私は、満足満足。

 ただ何となく今回の興行では時蔵丈がいつもとは少し違って感じたが、どうしてだかわからない。
 
 何が違ったんだろうなと今になっても思う。気のせいかな?

 

 二つ目は『京人形』

 菊之助丈の『京人形』は二度目だが,三年ほど前のときとは少し違った演じ方だった。

 人形が以前に比べスムーズ感を増した仕立て方で、どちらのよかった。

『京人形』らしいのは以前で,面白みがパワーアップしたのは今回。

 菊之助丈のただならぬ美しさは素晴らしいとしか言いようがなく、見とれてしまう。


 萬次郎丈の心得たという表情に加えてふと嫉妬心をちらつかす女心の表現は素敵だった。

 萬次郎丈は個性的な女房を演じられ、こことが良い。

 三津五郎丈の女房とのやり取り,人形とのやり取りは楽しかった。

『京人形』は何度観ても面白いし美しい。
 
 

 さてさて「待ってました!」の『髪結新三』

 わたしは 三津五郎丈の家主長兵衛で『髪結新三』が観たかったんだ。

 そう。三津五郎丈の家主長兵衛を観るのは、歌舞伎におけるわたしの夢のひとつだった^^

 
『髪結新三』は思った通り面白く、観て良かったと満足している。

 

 今回團菊祭の昼夜を通して 昼の『摂州合邦辻 合邦庵室の場』と、夜の『京人形』『髪結新三』が特に好きだった。

 昔の役者はうまかったという人が多いが、菊之助丈は華あり味良し姿良し。

 舞台うを見るにつれ、役者としての菊之助丈は素晴らしいと感じる思いは増すばかり。

 その上素顔はまじめそうな好青年で、始終にこやか。

 染五郎丈や七之助丈と同様、ご両親の愛情の賜物と感じている。

 




夜の部


一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)

  十種香

            八重垣姫  時 蔵
              濡衣  菊之助
            武田勝頼  錦之助


二、銘作左小刀

  京人形(きょうにんぎょう)

           左甚五郎  三津五郎
           京人形の精  菊之助


三、梅雨小袖昔八丈

  髪結新三(かみゆいしんざ)

  白子屋店先より
  閻魔堂橋まで

            髪結新三  菊五郎
            手代忠七  時 蔵
            下剃勝奴  菊之助
              お熊  梅 枝
           家主長兵衛  三津五郎
          弥太五郎源七  團十郎

  


    松竹株式会社 歌舞伎美人より ▼

夜の部

一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
  十種香
 武田信玄の嫡男・勝頼は、足利将軍暗殺の真犯人を探し出すことができず、許嫁である長尾謙信の息女・八重垣姫と一度も顔を合わせることのないまま切腹。八重垣姫が十種の香を焚いて勝頼の菩提を弔っていると、勝頼と瓜二つの花作りの簑作が現れます。驚いた八重垣姫は腰元の濡衣に恋の仲立ちを頼みますが、実はこの男こそ本物の勝頼で、切腹した勝頼は、身代わりとなった濡衣の夫だったのです。八重垣姫が勝頼への思いを滔々と語るところへ、館の主・長尾謙信が現れ、簑作へ出発を促します。すでに簑作の正体を覚っていた謙信は、勝頼を亡き者にしようと追手を差し向けるのでした。
 全五段の義太夫狂言『本朝廿四孝』の四段目に当たる「十種香」は、錦絵のような華麗な美が堪能できる名作。深窓の姫君である八重垣姫は歌舞伎の"三姫"の一つに数えられる華やかな大役です。

二、銘作左小刀
  京人形(きょうにんぎょう)
 廓で見初めた美しい傾城に生き写しの京人形を彫り上げた名匠・左甚五郎が、それを相手に酒宴の真似事を始めるところ、不思議なことに人形がひとりでに動き出します。女の魂と言われる鏡を人形の懐に入れると、しとやかな女らしい動きに、鏡が懐から落ちると、人形は元の荒々しい動きに戻ります。
 京人形の可憐な踊りから、後半は一転して、甚五郎が大工姿の捕手たちを相手に、大工道具を使って左手だけで鮮やかに立廻りを見せる、見どころの多い舞踊劇です。

三、梅雨小袖昔八丈
  髪結新三(かみゆいしんざ)
 材木屋白子屋では、一人娘お熊の縁談がまとまり、結納の品が取り交わされますが、お熊は手代の忠七と恋仲であるため、縁談を了承しません。それを聞いていた小悪党の髪結新三は、忠七にお熊との駆け落ちをそそのかした上、途中で忠七を蹴倒してお熊を監禁し、身代金をせしめようと企みます。騙されたことに気づき面目なさに大川に身投げをしようとする忠七を、通りかかった侠客の弥太五郎源七が助けます。
 源七は白子屋からの依頼でお熊を取り戻そうとしますが、逆に新三にやり込められてしまいます。次に家主の長兵衛が乗り出し、老猾な掛け合いでお熊を救い出しますが...。
 初鰹やほととぎすなどのほか、台詞の随所にも季節感が溢れ、威勢の良い江戸の市井の風俗を生き生きと描いた河竹黙阿弥の代表作。
 音羽屋の家の芸で、江戸歌舞伎の粋を存分にご堪能いただく世話物の傑作です。
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