2010年度 100冊目
『瓢亭の点心入門―瓢亭の料理に学ぶ、おもてなしの基礎とコツ 』
高橋 英一 著
矢野 正善 写真
淡交社
2000年
112ページ ¥ 1,575
本年度100冊目は『瓢亭の点心入門―瓢亭の料理に学ぶ、おもてなしの基礎とコツ 』を楽しんだ。
京都南禅寺の瓢亭にはわずかながらも行ったことがある。
特に朝がゆは手頃なお値段で今日のお味を楽しむことができるので、学生時代のお気に入りだった。
『瓢亭の点心入門―瓢亭の料理に学ぶ、おもてなしの基礎とコツ 』にのt例る色とりどりの料理の中には私が知っているものもあり,懐かしさもひとしおであった。
京料理が食べたい、美味しいものをいただきたいと今更ながらに思う昨今である。
この本はお料理ばかりでなくおもてなしの心が凝縮され、それでいて俳画のようにふと息の抜き場のある。そんなお料理が載せられていた。
器、お部屋、空間、盛りつけ、花・・・、料理人の心が芸術的に姿をあらわしていた。
それを『瓢亭の点心入門―瓢亭の料理に学ぶ、おもてなしの基礎とコツ 』では次のように記されていた。
点心に限らず懐石料理でも同じですが,まず何の趣向で催されるかを頭に置き,次にその季節をお客様にしっかりと感じさせ,色とりどりを考えて,一目見た時,その美しさ,趣向に一瞬の驚きをあたえます。(108ページ)
なるほど,的確だ。
日常生活にも季節の風と光を取り入れ、お料理に限定することなく和の心とも言える【点心に限らず懐石料理でも同じですが,まず何の趣向で催されるかを頭に置き,次にその季節をお客様にしっかりと感じさせ,色とりどりを考えて,一目見た時,その美しさ,趣向に一瞬の驚きをあたえます。】といったことを頭の片隅に置きながら、心地良い暮らしをめざしたいと感じた。
京料理の一人者である瓢亭主人が、ダシ・ご飯の準備から、魚の下ごしらえ、向付から吸物までの一品例、そして四季折々の趣向別献立など、楽しい点心づくりを基礎から説いた入門書。