乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

7月7日  七夕( 日本) 五節句の一つ。     「T・エリック氏」

2011-07-07 | 乱鳥徒然 Rancho's room.



  





7月7日  七夕( 日本) 五節句の一つ。




  





      T・エリック氏





 人は気づいてはいけないもの程、鮮明に息吹を感じることがある。

 昨夜、電柱の陰に隠れている、T・エリック氏を見た。

 隠れている彼の意思には気づかぬ振りをして、わたしは彼に近づく。

 緑色を飲み込む闇の中で、T・エリック氏はまだ息を潜めていた。

 会釈すると、思いのほか苦い 虫に占領されたピーナッツを噛んだような苦痛を帯びた声で、ひとこと。

「お日柄よく」

 こんな寂しい夜に、何がお日柄よくなのかはさておき、彼は喘いだ萌葱色の息を小刻みに震わせている。

 彼の顔を見上げると、彼の顔は半分深緑を伴い、闇夜に消えつつあるようだ。

 胸元を見ると、彼のハートは星形にぽっかりとあいていた。

 わたしは星形のそれを覗き込む。

 案の定、静寂さを保つ闇夜だ。

 その中に、一筋の光。

 軌跡はやがて彼の心いっぱいの大きなおぼしとなって、輝きを放つ。
                   思し、雄星(彦星)




 今日は朝から雨が降っている

 雨降る七夕…

 T・エリックはわたしの心配をよそに、織り姫と出会っているのかもしれない。

 そう信じて、わたしは灰色に包まれる午後三時の空をながめた。

 














コメント (2)
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