これが中秋の宴のメインはこちら、組踊。
組踊とは能や狂言、歌舞伎などに影響を受けてできた琉球の歌舞劇です。
組踊も琉舞と同様、冊封使団をもてなすために発展した芸能で
こちらも国指定の重要無形文化財に指定されています。
演技(台詞)に、歌(琉球音楽)、そして踊り(琉球舞踊)で成される舞台です。
ミュージカルといえば簡単ですが、
役者が歌うことはありません。
その点でミュージカルとは異なります。
(現代版組踊、肝高の阿麻和利しかり)
また、台詞が全て、琉歌と同様8音と6音からなっており、
歌うような抑揚が独特です。
組踊を作ったのは玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)。
1719年が初演だったそうです。
彼の代表作はいくつかありますが、そのうちの1つがこちら。
「二童敵討(にどうてきうち・にどうてぃちうち)」
阿麻和利の組踊です。
はい、あの肝高の阿麻和利の、勝連の阿麻和利です。
中城の護佐丸を討ち、そのまま首里城を滅ぼそうと企んでいるところを
護佐丸の子、鶴松と亀千代の兄弟の敵討ちにあうという話。
あ、阿麻和利視点であらすじを書いてしまいましたが
主人公は鶴松と亀千代側です(笑)
組踊は勧善懲悪なので悪役が主人公になることはアリエナイそうです。
が、1番の芸達者が阿麻和利役になるそうですが。
こちらが護佐丸の遺児、
鶴松と亀千代です。
ちなみに「肝高の阿麻和利」でも登場します。
きれいですね。
主人公は美形、というのも冊封使接待攻撃には重要だったそうで。
ちょうどその頃、満月が正殿上空に顔を出しました。
またすぐに厚い雲に覆われてしまいましたが。
さて、野で酒宴を催しているところに鶴松と亀千代が踊り子に化けて近づきます。
妖しく踊る二人の舞に「美らさ、美らさ」とすっかり魅せられてしまった阿麻和利。
酌もしてもらって上機嫌。
すっかり気をよくした阿麻和利は刀や着物を褒美にとらせ
すっかり酔ってしまいます。
その時、鶴松と亀千代は懐に忍ばせていた
父、護佐丸の形見の刀を抜き
みごと阿麻和利を討ち、敵討ちを果たします。
肝高の阿麻和利の舞台ができるまで、
阿麻和利像=二童敵討
だったのです。
これが長らく語り継がれてきた阿麻和利。
その阿麻和利像に疑問を持ち問題提起したのが沖縄学の父、伊波普猷
そしてその説を元にできた舞台が肝高の阿麻和利です。
組踊、二童敵討、初めて見ました。
やっぱり古典って感じで派手な演出はないですが
興味深いものがありました。
それにしても…
びっくりするくらい、何言っているのか分からなかった
もう少しは聞き取れるかなと思ったのに…
(単なる方言とは違うんだよなー)
ちなみに、組踊用のホールでもある「国立劇場おきなわ」では
舞台サイドに訳文が出る電光掲示板がついています。
(4年前に「執心鐘入」見た)
今回の中秋の宴は舞踊も組踊も立派なパンフレットに丁寧な解説がついていたので
(しかも組踊りはマンガでよむあらすじでした~★)
内容は理解できるんですけどね。