ＯＮ ＴＨＥ ＦＵＬＬＭＯＯＮ

そんな名前の素敵なピアノ曲があったっけ

お知り合いのブログを見て今日が満月だと知った
どうしても自分の目で確かめたくなって
マンションの屋上へ上がった

思ったよりも、外は寒くなかった
それ以上に、心が弾んでいたからかもしれない
夜遅いので、足音に注意を払いながら階段を上がる
基本的には屋上に上がってはいけないのだが…
そんなことはお構い無しに上がった

遮るものの無い漆黒のパノラマ
周りには、ほとんど星は光っていない
薄く靄のかかった満月が妖しい光を放っていた
少しの間見ていると、靄が晴れ更に光が増してきた
周りの雲を照らし出し
月自身を協調させている
「私を見て」と言わんばかりに

僕のほぼ真上に月は妖しく輝いていた

いつの間にか
僕の身体に、寒さがにじり寄って来ていた
手足が冷たくなっていた
さあ
ココアでも飲んで
冷たくなった身体を温めよう
月に背を向け
ゆっくりと、屋上を後にした…