渋谷駅の井の頭線連絡通路にそれはある
何故だか、見に行くというよりも会いに行く感覚に近い気持ちだった
井の頭線へのエスカレーターを上がる
近づくにつれ、胸の鼓動が高まる
恋した女の子に会う前の感覚に似ている
(絵画に恋するなんて酔狂な話だが…)
見上げると、迫力が増して感じられる
前に2度見たときは、目の前に目線の高さで見ることができた
作品から受ける感覚が全く違う
場所のせいもあるのだろうか
通り過ぎる人は、そこに掲げてある岡本太郎の絵に気がついているのだろうか
こんなに素晴らしい絵がすぐ傍にあるというのに
横を見る素振りもまったく見せない
遥か前方にある改札だけを睨むように、みんな一直線に進んでいく
まるでベルトコンベアーに乗っているように
その中で、立ち止まって見上げている僕は
ベルトコンベアーに乗ることのできない不良品な気分だった
しばらく眺めていると
ベルトコンベアーから弾き出された人が2人
中年の眼鏡の男性と、薄くなった白髪を手ですく痩せた老人
中年の男性は、「みんなこの絵に気がついているんですかね」と
ボソッと、老人に呟いていた
二階の通路に上がると、かなり遠くはなるが目線の高さで全体が眺めることができる
が…
中央部分に柱が邪魔して、完全に全体を見ることはできない
そろそろ去ろうかと、JRのほうに歩き出して行くと
ボクの奥の、身体の奥の中で「ボッ」と鳴った
小さな火が点いた感触が内側から届いた
視界はクリアになり、胸がチリチリしてきた
何故だか、見に行くというよりも会いに行く感覚に近い気持ちだった
井の頭線へのエスカレーターを上がる
近づくにつれ、胸の鼓動が高まる
恋した女の子に会う前の感覚に似ている
(絵画に恋するなんて酔狂な話だが…)
見上げると、迫力が増して感じられる
前に2度見たときは、目の前に目線の高さで見ることができた
作品から受ける感覚が全く違う
場所のせいもあるのだろうか
通り過ぎる人は、そこに掲げてある岡本太郎の絵に気がついているのだろうか
こんなに素晴らしい絵がすぐ傍にあるというのに
横を見る素振りもまったく見せない
遥か前方にある改札だけを睨むように、みんな一直線に進んでいく
まるでベルトコンベアーに乗っているように
その中で、立ち止まって見上げている僕は
ベルトコンベアーに乗ることのできない不良品な気分だった
しばらく眺めていると
ベルトコンベアーから弾き出された人が2人
中年の眼鏡の男性と、薄くなった白髪を手ですく痩せた老人
中年の男性は、「みんなこの絵に気がついているんですかね」と
ボソッと、老人に呟いていた
二階の通路に上がると、かなり遠くはなるが目線の高さで全体が眺めることができる
が…
中央部分に柱が邪魔して、完全に全体を見ることはできない
そろそろ去ろうかと、JRのほうに歩き出して行くと
ボクの奥の、身体の奥の中で「ボッ」と鳴った
小さな火が点いた感触が内側から届いた
視界はクリアになり、胸がチリチリしてきた