ベン・シャーン展
『線の魔術師』
埼玉県立近代美術館
人物をとらえる力・表現力
写実的であろうが
抽象的になろうが
黒い一本の線だけになろうが
的確にとらえ表現している
感情が直に伝わるような線の表現世界
ふるえているような線
怒りや悲しみが直接に伝わってくるかのように感じる
自分はこの画からは、感じるところは小さいが
憂いを含む男性の表情や
うらぶれている中年男性の顔
ありありと作品から気持ちが伝わってきた
ベン・シャーンのバックグラウンド
8歳の時、ユダヤ人迫害を避けるため
アメリカに移住している
罪もないのに不当な扱いを受けた過去がある
その経験から、権力者を憎み
貧しくてもたくましく生きる、名も無き人たちを愛する
人種差別、迫害、貧困を批判するヒューマニズムな作品がうまれる
作品を鑑賞する際
その生い立ちを知るか知らないかで
作品に対する目線はかなり変わってくるだろう
やはり
作り手の気持ちを理解できないまでも
知ることは大切だと思う
作品に深みを与えてくれる
この企画展に関するグッズやポストカードが全く無かったのは残念で仕方が無い…