駒井 哲郎
現実を現実として捉えられないということは
足元の不安定さがあるのではないだろうか
精神的にも安定するとは考えにくい
その不安定さを作品に落とし込む
吐け口として機能する芸術表現
寝ている間に見る夢は
輪郭がぼんやりしていることがほとんどだろう
それが起きて活動している世界に侵食してくる
侵食というより曖昧になるのだろうか
薄れゆく境界線
夢と現実の間に引かれた線が滲みだし
背景に溶け込んでいってしまう
現実感を伴わない現実
夢の中に立ち現れる現実感
区別する必要があるのか
どうなのだろうか
夢は夢でなければならぬのか
現実は現実でなくてはならぬのか
狭間をたゆとう者がいてもいいのではないか
散策者ということは
感覚的には現実よりも夢の方が
色濃く映っているのだろうか
正気と狂気の間で揺れ動くのも
芸術家としてはままあることなのだろう
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