取替えの利く人形

平たく言えばそういうことだ

誰にでもできる仕事
特別な能力はいらない
すぐにできるようになる
残念ながら深みはない
深く掘ろうとすると、すぐに底にぶつかる

お弁当ラインの配置につく
ベルトコンベアーから流れてくる空き弁当箱
一つ一つと品物が詰められていく
緩慢にはできないにしても、汗をかきながら必死になることもない
稀に、必死にならなきゃ追いつかないハズレの時もあるが…

完全自動化されることがあれば、真っ先に人がカットされる場所だろう
それも遠い日の話しではないのかもしれない…
その場所の機械が入れ替わるように
人もポンポン入れ替わる
誰がやっても大差ないから
スキルとはいえない
もちろん多少の工夫なりコツ的なものは存在する
だが、技術的に積みあがるものとはいえないよな


寝不足でラインで延々と作業を続けているとき
急にベルトコンベアーが停止する
そして再開したとき
ベルトが動いているのか、自分の床が動いているのかわからなくなった
自分がベルトコンベアーに乗っているような錯覚…



取替えの利く人形になんてなりたかないね