ここ最近、BBC制作のネイチャーDVD「アース」シリーズを借りてるんだが、
そのDVDの宣伝に「月に囚われた男」があった。
その映画に息子が興味をそそったらしい。
彼はいま、手塚治虫の「火の鳥」シリーズを一生懸命読んでいるんだが、
「その中の「復活編」になんか感じが似てるね」と
言ってレンタルを希望したんで借りてみた。
実際に観てみると、とても面白かったなあ。
宣伝だけ見てるとスリラーかホラーかな、なんて思ったけど
「人間の尊厳」をテーマにしてたから、ちょっと意外だった。
やはりどうしても「火の鳥」とかぶってしまうところがあるけどね。
いろんな「火の鳥」のエピソードが使われてるような気がするな。
手塚治虫はやはりアイデアの宝庫だよ。
「クローン」の使い方がまさに手塚治虫と同じで、リアルなのが好きな西洋人からしたらこのアイデアは絶対出ないだろうから、そこらへんは確実にいただいてると思う。
でも、オリジナリティも充分あるし、なかなか良かった気がする。
監督はダンカン・ジョーンズさんという、この作品でデビューの監督さんで脚本にも名を連ねてるんだけど
この人、実はデビッド・ボウイの息子らしい。
ボウイの名を使わなかったってことは七光りを拒否したんだなあ。
有名人の子どもはホントに大変だよね。
割り切って遺産を使い込むのも一つの手だけど、やはり自分の実力だけで勝負もしてみたいだろうからね。
この人は実力でモノにできたと思うよ。
何が良かったって
この手の映画は大概ズ~ンと沈むような話で終わることが多いんだけど
観終わったときの印象がそんなに重くならないんだよね。
「いい話」で終わらせてるところがうまいよ。
その辺も手塚治虫と同じ匂いを感じるな。
今後が楽しみな監督さんだよ。