ちょっと前に、
日本テレビのロビーで、
すれ違いざまに大人計画社長の長坂さんに挨拶された。
お会いするのは10年ぶりぐらいだろうか。
「よく覚えているもんだ」
そう驚いたものだ。
大人計画の役者陣や作家陣が売れているのは、
もちろんその才能もあるけれど、
実は長坂さんの存在は大きいと思う。
長坂さんは別に芸能プロダクション出身ではない。
劇団の制作だ。
なのにプロダクションの人間のように、
劇団員を売り込み、成果を収めてきた。
彼女のような存在は、
少なくとも小劇場系では稀有あるいは唯一無二である。
そんな長坂さんの出した出産・育児本だ。
一筋縄ではいかない才能たちを束ねる
『大人計画』の母だけあって、
さすが独自の感性や観察眼、表現がそこここに登場する。
何箇所か声を出しそうになるほど笑った。
それにしても、
巻末の対談に出ている伊勢志摩さんの写真を見ると、
彼女が母親であることも驚きだし、
そもそも子どもは小学校の社会科で「伊勢志摩」について学んだ時、
我が母のことをどう思うのだろうか心配になった。
まあ、母親の名前が「ばなな」よりはいいか。