原作である映画を観ていくかどうか迷ったが、
おおかたのあらすじは知っていたので、
やはり観て行ったのだった。
結果的に僕としてはそのほうがよかった。
それは以下のような理由だ。
・誰がどの役をやるのか。
配役の妙をより楽しむことができた。
・映画のあのシーンを舞台でどう表現するのか。
演出の妙、構成の妙をより楽しむことができた。
・十人の女といいながら原作でスポットが当たるのは五人程度の女だ。
「version100℃」では、原作では影の薄かった女たちの代わりに新たな女が創られていた。
新たな女たちが既存の物語にどう入り込んでくるのか。
ちなみに映画では脇だった役がかなり大きな役になっているのも、
事前に映画を観ておくとわかる脚色の妙。
と、書くと、映画を観ておくことをかなり勧めているようだが、
別にそういうわけではない。
一応サスペンスなので、純粋にストーリーを楽しみたい方は、
予備知識がないほうが楽しめるだろうし、
そもそも舞台作品として完成しているものであるから、
原作を知っていようが知るまいが楽しむことができる。
上記は事前に映画を観てから舞台を観ると、
こういう角度の見かたができたという、
あくまで僕の極私的感想に過ぎない。