その新人ADの前職は自衛隊員だった。
しかも精鋭が集まる習志野の部隊にいたらしい。
しかしそれでは飽きたらずアメリカに渡り、
狙撃犯だったか大統領の警護だったかは忘れたが、
かなりハードな職種についた。
そして帰国。
彼が新たなに選んだ仕事は、
なぜかテレビのADだったのだ。
そんな彼の初仕事となる特番で一緒になった。
今から思えば、
制作期間のかなり短い、
強行軍の特番だった。
おそらく彼もほとんど眠れぬ日が続いただろう。
収録直前のある日、
突然、彼は上司のもとにやってきて、
「辞めさせてほしい」と言ってきた。
「こんな大変な仕事を続ける自信がなくなった」
元自衛隊の精鋭もネを上げる仕事・・・。
ADは過酷な稼業ときたもんだ!