餃子とシャツ

2018年01月23日 22時34分25秒 | コメディのかけら


近所の荒くれた酒場のカウンター席にいたら、
隣に座っていた三十代女性たちの会話が聞こえてきた。

一方の女性に最近いい感じになりかけている男性がいるようだ。
しかし・・・

年末、その男性と家の近くで飲むことになったらしい。

どんな店かはわからないが、
「餃子が280円」の店ということだけはわかった。

話の流れで、彼が
「最近ようやく自分に似合うシャツが見つかった」
ということを言い出したようだ。

そこで彼女が、「いくらしたの?」と尋ねた。
「え、値段を言うの?」と彼が嫌がったので、
その素振りから「これはユニクロあたりに違いない」と思い、
繰り返し、「ねえ、いくらだったの?」と尋ねた。

すると、

「…5万円」

え?

それを聞いて彼女は、
「この人、5万円のシャツを買うような人なのに、
 私につきあって280円の餃子を食べてくれるんだ」
と思ったそうだ。

そして、「残念だけどこの人とは距離をおこう」と決めたらしい。

そんなふうに考えるんだ。

本当に距離をおいたのかどうかは、
そこで僕が先に店を出てしまったので不明。