アプローチの石段を下りていったら、小さな花がたくさん落ちていた。昨日の雨で、コバノガマズミが散り始めたのだった。径6mmぐらいの梅型の花びらの散るさまは、ちょうどスパンコールを散りばめたようだ。コバノガマズミってこんな花だったんだと改めて気づく。
花弁がこのようにつながっている花は意外と少ないと思う。桜も椿も、花弁は一枚一枚離れている。ハコベもアヤメもチューリップもスミレも離れている。くっついているものといえば、キキョウやリンドウがある。
コバノガマズミは以前の分類(クロンキストン体系)ではスイカズラ科だったのだけど、今(APG体系)の分類ではガマズミ科になった。スイカズラは花が筒形になっていて、ガマズミとは全然花の形が違う。けれども、花の形のことを言い出すと、オミナエシなんかもスイカズラ科に入ってしまったのだから、まったく混乱してしまう。確かに、オミナエシの花を図鑑でよく見てみたら、花弁はそばぼうろ型でぐるりとくっついている。ガマズミを草本にした形に見えるといえば見える。
今日はコバノガマズミにわりとよく似たオトコヨウゾメが林内に咲いていた。わずかにピンク色がかった、私の大好きな花だ。今の野山は、ちょっと歩いただけで見るものがありすぎて、なかなか遠くまで行けない。