山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

外米

2012-12-09 | たべもの・台所

朝雪が積もってました。昨晩寝ようと思ったら寒くて寒くて、布団を1枚追加した。
一日中、窓の外を雪がパラパラ、ふわふわ、しんしん。空が灰色。

今日は近所で「東濃歌舞伎大会」という、地歌舞伎のあちこちの団体が1外題(作品)ずつ演じる共同公演があって、毎年チケットをもらうので、せめて最後の中津川保存会のだけ観に行くつもりだったけど、でも忙しいしどうしようか、と迷っていたのだけど、外題が「菅原伝授手習鑑 車曳」だと分かって、やめました(笑)。すみません。せっかくチケット送ってくれたのに。

歌舞伎には時代物(武士が忠義を尽くすとか首を取るとか腹を切るとか、エライ人のエライ世界)と、世話物(町人の世界、大体ほれたとかはれたとか)があって、私は庶民なので世話物の方が感情移入しやすくて面白いのです。
時代物だと衣装や化粧も仰々しくて人間離れ(?)してるので、よけいに感情移入できない。それに忠義のために首をどうこうっていうの、気が滅入ってしまう。体に重苦しいエネルギーが入ってくる。精神のバリアが弱すぎるのか?
菅原伝授は、時代物です。世話物ってめったにやってくれない。

普通の気楽な世話物の歌舞伎やってくれないかなぁ。
中津川では、歌舞伎が普通に面白い娯楽で、ちょっと演劇観に行くのと同じ気分で観られます。


さて……。

うちでナシゴレン(インドネシア風チャーハン)を作りたくても、パサパサの長粒米(外米)が売ってないので、なかなか同じようにはできない。ちょっとぐらいそういうお米も売ってくれればいいのにと思う。いくら安くても、国産米を全部外米に置き換えて食事をするような日本人はまずいないだろうから、それで国産米が売れなくなっちゃうということはないと思う。

輸入している外米はほとんど加工したお菓子に使われていると思う。おせいべいやお餅は、「国産米」ってでかでか書いてないものは、外米なのだ。外米でもそのように加工すれば結構おいしく食べられるということである。お餅でも国産米のは1袋800円ぐらいするけど、外米のは400円以下だ。
なんでも、パンメーカーの安いおまんじゅうやお団子も外米だと(前の記事のコメント参照)。

ところで、この外米が、戦前から輸入されていたということを、はずかしながら最近知った。
山里の人の昔の話を聞く活動をしているのだけど、今88歳の、愛知県の戦後開拓地に入植した方が、戦前から配給があって、外米だった、といわれたのである。
配給も、戦中戦後のものだと思っていたら、太平洋戦争に入る前の日中戦争時代からあった。
これまでいろいろなお年寄りに話を聞いてきたし、わが両親も戦前生まれだが、この話は初めて聞くもので、わが耳を疑ったほどだった。

それで、手っ取り早くイージーに、ネットでちょっと見てみるとすごく詳しく書いてくれている人がいた(サイト名忘れた)。
要するに、日本は人口増加のため戦前からすでに国内の食糧は不足しており輸入していたということ。
食糧増産のために、ハワイやブラジル、満州などへ農地を拡大しようとしていたことは知っていたが、食糧をそれほど輸入していたということは考えていなかった。ただし、そのサイトの筆者によれば、これは輸入というよりは、台湾などすでに日本の領土としていたところから入れていたので、正確には輸入という言葉は当たらない。
そして、太平洋戦争に突入し、食糧が外から入らなくなったため、食糧不足に陥った(もちろん労働力の不足などもあり)のである。

日本の食糧はそんな昔から海外に依存していたのだなあと、改めて実感する。
経済的や政治的にどうこうというより、世界の皆さんに支えてもらって生かされてきたのである。


写真/岡山県真鍋島(2010年12月)

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