山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

祝島のびわの葉茶

2007-02-18 | 

2週間ほど前からビワの葉茶を飲んでいる。花粉症対策。

びわの葉茶はてん茶の一種。てん茶が花粉症に効くのは有名で、こだわりの健康食品店で安く売っていたので買って友人にあげたらひどく喜ばれたが、その後、ドラッグストアでいくらでも売っているのを見かけるようになった。でもびわの葉茶はあまり見かけない。てん茶というのはバラ科の植物で作ったお茶のことであり、びわは見かけによらずバラ科なのである。昨年も花粉症の季節をびわの葉茶でのりきった。大した症状も出ないですんだ。

びわの葉を蒸して干せば自分で作れるだろうし、あるいは生でもできなくはないだろうが、私は山口県の祝島から取り寄せている。祝島のびわは無農薬で、高級な果物として出荷されているようだが私は食べたことはない。ここのびわの葉茶は、蒸して干してから「ほうろく」で炒ってあるのが特徴で、大変おいしい。きれいなオレンジ色が出る。

私がここのお茶がひいきなのには、おいしくて無農薬だということのほかにもいろいろな理由がある。まず、祝島が大変美しい島で、かつて訪れたことがあり、親しみがあるということ。島のあちこちでみられる塀は白い漆喰と色とりどりの丸い石でできていて、エーゲ海かなにかのようである。塀だけで十分美しい。

集落の裏から島を上がっていくと、石積みが幾重にも重なったあたりにビワ畑が広がっている。

海辺に行くと丸い青灰色の石がみんな同じ方向を向いてころがっている。岩場にはふのりがたくさんはりついている。このふのりを少々いただいて持って帰って、煮て、洗濯のりにしたら、軽くパリっというかサクっというか実にいい具合になった。ふのりは食べることもできる資源である。

また、民宿で初めてカメノテという食べ物と対面。見た目は変な感じだがシャコみたいでおいしい。これはフジツボの仲間で、岩にたくさん張り付いていた。調子に乗って食べていたら気持ち悪くなった。

祝島は上関町に属しており、あたりは瀬戸内海でも有数の美しい海である。海産物も多い。上関町では原発の建設の話が本格的に進んでいる。原発ができれば美しい海は埋め立てられ、なくなってしまう。3年ぐらい前に署名運動をネットでやっていたが、今はどうなったか。

いくつかの島に出掛けたが、島にはいい島とそれほどでもない島がある。それほどでもない島に行くと、すぐに帰りたくなる。いい島に行くと、もう一度行きたくなる。祝島は大変いい島である。それほどでもない島は、何とか再びいい島になってほしいと願うがその方法が分からない。


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2 Comments

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ありがとう (MM)
2007-02-19 13:53:05
私は祝島の出身です。
故郷を誉めて頂いてとても嬉しいです。
故郷と言っても付き合いのない親戚と、父のお墓があるだけなので気になりながらも足は遠のいていました。
昨年久し振りに帰ってから、島の美しさ(美しいなんてきざな言葉だけど他の言葉が思いつかないのです。)が脳裏から離れないのです。住んでいる時はそんなこと思った事がなかったのに。過疎でこれから人が少なくなり、居なくなったとしてもあの対岸に原発を建設する事だけはやめて欲しいと思っています。その為にも祝島を多くの人に知って頂きたいと思います。だからありがとう。
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祝島を大切に (山里文化研究所)
2007-02-20 23:07:06
あんな島がふるさとなんて素敵ですね。
祝島は私の心の中にそおーっと大切にしまっておきたい気持ちもありますが、島をいつまでも美しいまま存続させるには、そこの産物をみんなが買って島の暮らしを応援したり、そこのよさを理解して壊さないようにすることが必要ですね。島を美しく保っているのは、そこを通りすがる人ではなく、そこで暮らす人たちです。だから祝島のビワの葉茶を一人でも多くの人に買ってもらいたいと思います。
こんなブログに目をとめていただきうれしく思います。
祝島の熱烈ファンがいることを親戚の人にもお伝えください。
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