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熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。送料込み5000円。
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目次

作品 文章 写真 販売品

正倉院展

2008-11-01 20:43:47 | 文章
11月1日(土)、晴れ。

朝から、引き続いて2つの盤覆いの修復作業。昨日、塗り上げて乾いた漆の表面を、先ずはペーパーがけをする。木地の下地調整のときは粗い80番を使ったが、今日は320番で軽く摺り始める。冷たい風に茶色の粉が周りにゆっくりと風下に流れて行く。
8時30分になって、線路の向こうの建物の稜線から太陽が顔を出し、やっと暖かくなる。
この作業は30分余りで終了し、2度目の漆を塗る。まだ、下塗りの段階だから、気楽にこなす。ついでにもう一つ、以前に修復を終えて使っていた盤覆いを押入れから取り出して、漆で拭き直す。理由は、色合いをもう少し濃くしようと思ったから。

大物の漆乾燥にはいつもの駒用では小さすぎるので、人様が入る風呂を使う。
底に1センチぐらい水を溜めて、バケツを2つ並べ漆を塗った盤覆いをそれぞれかぶせるとちょうど良い。
3つ目は、割り箸を角々において隙間を作りその上に置く。
漆が手に付かなくなるには、半日から1日掛かる。

11時過ぎ、人形の続きをしていると、尾崎さんから電話があり、只今、こちらへ向かっている途中だとのこと。
それまでには1時間ほどあるようだが、落ち着かず、纏まった仕事を控えることにして、人形の土台となる黒漆塗りで表面に金泥で「銀」「香」と書いた駒の裏に小さく「平成二十年修復、熊澤良尊」と漆で記しておくことに。

12時半過ぎ、尾崎さんたち4人連れが到着。すぐさま、例のそば屋さんへ昼食に。
連休初日の今日、正倉院展は超満員だとか。17時以降なら多少なりとも、空くはずだと、それまでは工房へ戻ってゆっくりしてもらうことに。
途中、町内にある名刹・浄瑠璃寺へ案内する。
浄瑠璃寺は、小田原山・浄瑠璃寺、阿弥陀様を中心に9つの仏様をお奉りしているところから、九体寺とも呼ばれている。
本堂の前の池を介して反対側の小高いところに藤原時代に建てられた三重の塔がある。ちょうど、緑の中に楓が色づきはじめ、太陽が塔を照らすそのコントラストが美しい。ブログに紹介したいほどだった。

今日は、まさに小春日和。ぽかぽかと暖かい。グルッとわざわざ細い田舎道をめぐって、工房に戻ってコーヒで一服することに。

工房のテーブルには作りかけの人形駒と、そのモデルの「銀」と「香」。それを見た尾崎さんの口からは、「朝鮮通信使?」の言葉。そうです。一目見てそれを看破する人は、そうはいない。「良く分かりますね」と感心する。

他人の筆跡を真似て書くことを臨書と言いますが、4人の中には書の先生も居られたので、最近出来上がった「兼成卿写し駒」も見てもらったところ、いたく感心されたようで嬉しかった。

16時40分、奈良へ向け出発。奈良までは20分余りの行程。途中まではいつものようにスイスイ。だが、奈良坂あたりに差し掛かると大渋滞。車が動かない。
このあたりの道はほぼ分かっているので、少し行った般若時脇の横道に廻る。

17時30分を過ぎ、奈良公園あたりの道は暗くなっているのに人人人ひと。
国立博物館に到着しても、臨時切符売り場にはまだ長蛇の人。
今日の閉館は19時。その来る人も多いということ。

まあ、今日は、ここまで。
正倉院展については、別途改めて書くことにします。


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