11月29日(土)晴、時々にわか雨。
水無瀬駒の墨書きの謎について、早速シンがポールのKさんから「ずばり、下書きでしょう」とのご意見を頂きました。皆さんは、どうお考えですか。
それに対する返事と小生の考えは次のとおりです。
「さて、墨書き駒の件ですが、貴方のお考えを全く否定するわけではありませんが、非常に考えにくいと言えます。
と、言いますのも、水無瀬兼成さんのような達人になると、漆で書くのも墨で書くのもほとんど同じように一筆で書けるのです。
勿論、途中で筆の漆が少なくなると、墨次ぎならぬ、漆次ぎを必要としますが、まあ一筆で書けるのです。
小生の場合も何年か前から、それが出来るようになりました。
そのときの下書きは無用です。
ただし、文字の位置と大きさを揃えるために「見当」といって、書き出しの位置などや終わりの一画の位置の目印を入れる程度の目印を入れておくとか、文字の骨格だけ下書きする方法は使ったりすることはあります。
この場合、全ての点画の下書きではなく、ところどころだけで十分です。
むしろ、全ての点画を下書きしておくと、弊害が生じます。
つまり、上から書いた漆が下書きの文字の上に、いつもぴったり重ねることは不可能です。
はみ出したり、下書きの文字が残ってダブって見えたりして、出来上がりが汚くなるのです。
下書きの上にぴったり漆で書くのは、盛り上げの時のように大変面倒で神経を使う作業で、普通に書くより、5倍くらい時間が掛かりますし、生きた文字にはなりません。
それに、下書きなしで何枚か書くうちに、下書きがなくても位置や形、大きさがきれいに揃って書けてくるのです。この域に達すると、下書きは不要というより、かえって邪魔になります。
例えば、小生の根付もそうですが、先日のブログに掲載した「雛駒」、あれは、下書きもしていないし、見当もつけずに、白紙の木地にそのまま漆で書いたものです。
実際に雛駒の木地は、一組42枚のところ、歩兵と苦手な桂馬だけ1枚づつ多く準備して、その分だけ余計に作りましたが、その他の駒は2枚とか4枚とか丁度必要な枚数だけ、一筆で書きあげました。
盛り上げ駒の場合、表2文字を盛り上げるのに15分くらい掛かりますが、下地が白紙であれば、2~3分で気持ちよく掛けます。
その方が文字も伸びやかで、良い文字になります。
以上のような理由で、「下書き」ということは、非常に考えにくいわけです。
いかがでしょうか。」
別件ですが、頒布品の「字母紙」、少々説明不足でしたので補足説明します。
頒布品の「字母紙」は、小生が使う字母紙そのものではありません。
4年位前、小生がまとめ役になり「駒サロン」参加者の皆さんで分担して作った16種類の字母紙集です。
「菱湖」「源兵衛清安」「空蝉」などの字母紙は、小生が昔、駒づくりを楽しむ会で、木地とともに頒布したもので、今回の分に入っておりますが、「古水無瀬」等以前から小生専用にしているのものはは入っておりません。
あしからずご了承のほど。
「別件2」
もう一つ、「熊澤良尊の写真部屋」というブログを工事中です。
このブログに載せた作品や販売品の写真を集めたものにする予定です。
水無瀬駒の墨書きの謎について、早速シンがポールのKさんから「ずばり、下書きでしょう」とのご意見を頂きました。皆さんは、どうお考えですか。
それに対する返事と小生の考えは次のとおりです。
「さて、墨書き駒の件ですが、貴方のお考えを全く否定するわけではありませんが、非常に考えにくいと言えます。
と、言いますのも、水無瀬兼成さんのような達人になると、漆で書くのも墨で書くのもほとんど同じように一筆で書けるのです。
勿論、途中で筆の漆が少なくなると、墨次ぎならぬ、漆次ぎを必要としますが、まあ一筆で書けるのです。
小生の場合も何年か前から、それが出来るようになりました。
そのときの下書きは無用です。
ただし、文字の位置と大きさを揃えるために「見当」といって、書き出しの位置などや終わりの一画の位置の目印を入れる程度の目印を入れておくとか、文字の骨格だけ下書きする方法は使ったりすることはあります。
この場合、全ての点画の下書きではなく、ところどころだけで十分です。
むしろ、全ての点画を下書きしておくと、弊害が生じます。
つまり、上から書いた漆が下書きの文字の上に、いつもぴったり重ねることは不可能です。
はみ出したり、下書きの文字が残ってダブって見えたりして、出来上がりが汚くなるのです。
下書きの上にぴったり漆で書くのは、盛り上げの時のように大変面倒で神経を使う作業で、普通に書くより、5倍くらい時間が掛かりますし、生きた文字にはなりません。
それに、下書きなしで何枚か書くうちに、下書きがなくても位置や形、大きさがきれいに揃って書けてくるのです。この域に達すると、下書きは不要というより、かえって邪魔になります。
例えば、小生の根付もそうですが、先日のブログに掲載した「雛駒」、あれは、下書きもしていないし、見当もつけずに、白紙の木地にそのまま漆で書いたものです。
実際に雛駒の木地は、一組42枚のところ、歩兵と苦手な桂馬だけ1枚づつ多く準備して、その分だけ余計に作りましたが、その他の駒は2枚とか4枚とか丁度必要な枚数だけ、一筆で書きあげました。
盛り上げ駒の場合、表2文字を盛り上げるのに15分くらい掛かりますが、下地が白紙であれば、2~3分で気持ちよく掛けます。
その方が文字も伸びやかで、良い文字になります。
以上のような理由で、「下書き」ということは、非常に考えにくいわけです。
いかがでしょうか。」
別件ですが、頒布品の「字母紙」、少々説明不足でしたので補足説明します。
頒布品の「字母紙」は、小生が使う字母紙そのものではありません。
4年位前、小生がまとめ役になり「駒サロン」参加者の皆さんで分担して作った16種類の字母紙集です。
「菱湖」「源兵衛清安」「空蝉」などの字母紙は、小生が昔、駒づくりを楽しむ会で、木地とともに頒布したもので、今回の分に入っておりますが、「古水無瀬」等以前から小生専用にしているのものはは入っておりません。
あしからずご了承のほど。
「別件2」
もう一つ、「熊澤良尊の写真部屋」というブログを工事中です。
このブログに載せた作品や販売品の写真を集めたものにする予定です。
駒の写真集
リンク先はこちら」
http://blog.goo.ne.jp/photo/11726