熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。送料込み5000円。
残部僅少、注文受付中。

目次

作品 文章 写真 販売品

2010-07-22 18:15:23 | 写真
7月22日(木)、晴れ。

猛暑日。猛烈に暑い日でした。先ほど車で帰ってきたときの外気温が38度。
昨日は36度でしたので、昨日より2度も高かったことになります。
道理で、道を歩いていたら、黄金虫が道端にひっくり返って力なく足を動かしていました。

本日、盛上げ用の筆を10本注文しました。
写真は手持ちの未使用の筆です。
黒軸と白軸。黒軸の方が僅かに細い。
毛は猫の首根っこのところ。ここが一番すれていないんだそうです。
だから、「水毛」という毛先。これが透けて見えるほどでなければいけません。
これが2ミリ近くあります。おまけに腰が長くスラーっと。
これが大阪の「T]製の良いとこ。勿論、無駄毛は1本1本抜いて良い毛だけを残します。
これは5年前に10本ほど買ったものです。

「T」さんの筆は、他と比べて比較にならない最高品質。
小生は35年間、この黒軸を中心に愛用してきました。
5年前の時は、半年待ってやっと入手できました。
最近、廃業するという噂を耳にしたので、買い足そうと電話して「Tの黒軸はありますか」と尋ねると、店の在庫は数本だけとのこと。
全部買おうとしたら、「残りものだからあんまり良いものは残っていない。余りお勧めはできない」とのことで、ほぼ同じような白軸を10本買うことにしました。
値段ですか。高いですね。

ところで、その「T」さんが、この5月に廃業されたそうです。
やっぱりそうか。
理由を聞くと、良い材料が入らないことと、眼が見えにくくなってきた。いいものが作れない。だから廃業したんだそうです。
「職人の鏡のような人ですね」というと、
「そうなんです。頑固な人でね、思うようなものがつくれなくなったので廃業する」んだとか。

白軸も、在庫は残り少なくなって、40本ほどだそうです。
小生が10本を買うと残りは30本。
弘法も筆を選ぶそうですから、この際さらに10本ほど買い足しておこうかな。

正確には覚えておりませんが、これまでの35年間で30本かもう少し使ってきたでしょうか。
筆は、大事に使えば1年くらいは使えます。
使った後は、油で漆分を完全に拭き取ります。
これが不完全ですと即アウト。明日からは使えなくなります。

平均すると1年間に1本で、10本買えば10年間分。
手元に10本ありますから、大事に使えば合わせて20年間使えることになります。
果たしてどうでしょうか。

本日は、筆の話でした。

ーーーー
追伸

この「T」製の筆ですが、同じ名前で、もうひとつ全然別人が品質のかなり劣ったものを作っています。
同じ名前なので非常に紛らわしいですが、親戚かもしれません。
見分け方は一つ。
ラベルの形が違います。最高品質のは、ラベルの端が丸。
悪い方は、四角です。
悪い方は、幾らでも売っていますし、ズット安いですが、品質は全然違います。
安もの買いになりますね。

下の3本の紫軸は別のメーカーで京都の「M」製。
10年くらい前、試しに3本ほど買って、値段だけはそこそこでした。
しかし、見ただけで毛が悪く(写真では分かりにくいですが、チジれている)、使う気にはならず、3本ともそのまま使わずじまい、残っています。





コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

駒の写真集

リンク先はこちら」 http://blog.goo.ne.jp/photo/11726