お盆には戻れないということで妹が今日、真っ赤なプリウスの新車で帰ってきた。麻布の銘菓焼き菓子を土産に・・・・。うるさいやつだと思っても顔をあわせるとやっぱり妹。昔の日々に還っていく。お菓子を食べながら秋の法要の話。丁度そこへ知り合いの女性が三人やってくる。そちらにも焼き菓子と紅茶のおすそ分け。女三人話がはずむ。
海月
海鳴りのかなたから
どうやって辿り着いたか
ちゃんと生れることの
できなかった
水子たち
泣くことも
笑うことも
すがることもなく
波のまにまに
ぼうぼうとただよう
蒼白いひしめき
ひとつが裏返ると
ひとつが裏返り
幽かな輪郭のふちを
やわらかく
月光が撫でている
「生」と呼ぶには虚しく
「死」と呼ぶには愛しく
もつれながら
ふるえながら
闇の底から湧いてくる
おぼろなひかり
やがて月に暈が懸かり
闇が大きく盛り上がるとき
いっせいに
波間をはなれ
ゆらめきながら
あとから
あとから
月に還っていく