ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

盆の村

2006-08-13 23:26:34 | 俳句

     ほたる追ふこゑ馥郁と草の闇

     いつまでも灯のともりたる盆の村

     ほうたるの俄かに殖ゆる盆の村

     手のひらに蛍の鼓動つつみけり

     盆なれや見知らぬ縁者訪ね来し

     


盆の道

2006-08-13 09:03:52 | 日記・エッセイ・コラム

          よいしょと立ち上がる

          すうっと背中がかるくなって

          爺ちゃ

          婆ちゃがおぶさってくる

          よみがえる

          あのふわふわ

          妻の背には父

          ぼくの背中にはだあれ

          ゆうぐれの草の道

          細くすずしい風が

          うなじを優しく

          くすぐるものだから

          ぼくは黙って

          なんどもなんども

          頷いてやる

          向うから

          お迎えのおさななじみ

          ちょうちんの灯に

          頬を染め

          そっと会釈して

          すれちがう


盂蘭盆

2006-08-13 08:42:35 | 日記・エッセイ・コラム

霊棚を飾りご先祖を迎えに行く。まだ誰も来ていない静かな墓地。水をやり線香をあげると背中にふわっと風を感じる。「さあ帰ろう」心の奥でつぶやくと、もういちど背中で風がわく。                                                   妻がお供えのおはぎを丸めている。姫たちは線香の煙から逃れて二階の奥で大人しくしている。不思議に蝉の鳴かない盆の入りである。