ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

ナミダサマ

2006-08-11 23:28:51 | 

     干柿の芯に

     ホトケサマが透けて見える

     提灯の芯に

     ホトケサマが揺らめいている

     欅の幹に耳を当てると

     祈りが聞こえてくる

     良いとか悪いとか

     そんなことはどうでもいいこと

     ホトケサマはどこにでも在して

     ひたすら柔らかく微笑んでいる

     夕べも夢まくらに

     ナミダサマを遣わして

     散々ひとを憎んだ

     その心を洗い清めてくれた

     ナミダサマは

     泣きやんだばかりの赤子の瞳にも在し

     産卵のウミガメの瞼にも在し

     ホトケサマの化身

     ナミダサマが顕われた日は

     雨上がりの五月のように

     総てがまぶしく耀いてくる


三文の徳

2006-08-11 11:06:48 | 日記・エッセイ・コラム

今朝は早起きして、隣町まで朝採りの野菜を買いに行く。天気晴朗。刈り倒された草の香が車の中に吹き込んでくる。穂孕み期の青田が一面波打っている。その上をトンボの群れが遊泳している。三文の徳とはこの爽快さかも。開店の時間に合わせたつもりが店の前はすでに人だかり。野菜の山がみるみる内に消えていく。早く買わないと損をしてしまいそうな気分に急かされ、手当たり次第つかみとっては籠に入れる。帰宅してから買ったものを卓上に広げると、やっぱり余計なものがいくつも混じっている。 

      晩夏には黄色い花がよく似合う。