きょうは喫茶店の日。
1888年(明治21年)4月13日、東京上野に始めての
喫茶店「可否茶館」がオープンした。
コーヒー一杯が1銭5厘であった。
1966年、24歳で郊外レストランのオーナーに就いた当初
ぼくはコーヒーの淹れ方も知らなかった。
もちろん、ハンバーグの中身も分らなかった。
レストランをやりたいという、只それだけの理由で
オープンしてしまった。
当時はイザナギ景気の右肩上がり。
ビートルズが来日し、グループ・サウンズがブームとなり
カラーテレビ・カー・クーラーの新三種の神器が売れ
前田美波里の水着ポスターの盗難が相次ぎ
「こまっちゃうな」と山本リンダが大ブレーク。
アメリカが月面軟着陸を果たし
UPI通信のカメラマン沢田教一が
ベトナム戦争報道でピュリッツア賞。
夜の巷にはロス・プリモスの「ラブユー東京」が甘く流れ
即席麺サッポロ一番・明星チャルメラが売りに売れた。
日本一美味しいコーヒーという評判の喫茶店が
神戸にあると聞き、わざわざ出かけていったことがある。
若造のぼくにはコーヒーの味がさっぱり判らず
仕方なく、その水を頂くことにした。
美味い!
六甲からの石灰質を含んだ水と
瀬戸内海からの塩分を含んだ水とが
灘の地域でみごとにブレンドされ染み出してくる水。
つまり日本酒の元となる「宮水」である。
微かに甘く、舌にからむような密度。
それ以来、
コーヒーにはほんのちょっと塩を入れて飲むことにしている。