ゲリラ豪雨があちこちで暴れているが
大気は澄みわたり、いよいよ秋めいてきた。
郊外を車ではしると、碧空に「ぶどう」の幟がはためき
稲田を黄金色の風が吹き渡っている。
日が落ちると、あちこちの闇で虫たちの弦楽四重奏。
台所では栗がことこと茹だっている。
姫(シロ)の様子がおかしい。
ブラシをかけるとき、お尻の辺りをひどく痛がる。
またロクサーヌにやられたかと、調べてみるが傷はどこにもない。
でも痛がって鳴く。
そこで早速、親切な獣医さんのお出ましである。
洗濯用の網に姫を包むと、おとなしくなって治療がしやすい。
あちこち触診(問診は無理)の末、腰痛であることが判明。
狭いところに潜りこんだか
高い所から飛び降りたときに傷めたらしい。
当人は自信があるつもりでも
人間に換算すると、もはや60歳になる。
昔のようには体が利かないことに気づいていないのだ。
それにしても、あるじと同じ腰痛病みとは皮肉なもので
まっこと猫というやつは不思議な生きもの。
痛み止めの注射を二本打って ハイ、3000円。
夢ごこちたり虫の世へ身をあづけ