〈 暑い寒いも彼岸まで 〉 とはよく言ったもので
朝晩は絨緞の暖房を入れたり
蒲団に毛布を掛けたり
熱い昆布茶など吹きながら
冬向きの俳句などひねっている。
とかくこの時季は風邪に用心。
一昨日、ある研修会で(出席者300人)
後ろの奴がぼくの後頭部に向けて咳を吹きかけてくる。
よりにもよって風邪引きの前に席を取るなんて、ツイテナイ!
会議が進んでしまったので移動するわけにもいかず
できるだけ呼吸を浅くして、我慢の3時間であった。
平然とウイルスをまきちらし
マスク着用の礼儀を知らない人間が多いので
この時季、会合に出かけるのが怖い。
それでも悪いことばかりではない。
帰り道、旨いコーヒー店に出会えた。
周囲は黄金色に波打つ稲田と雑木林の閑静なところ。
扉を開けたとたん
バッハの「オーボエとヴァイオリンの為の協奏曲」に迎えられ
中年のマスターが丁寧に淹れたブレンドコーヒーが実に旨い!
こんなところに、こんな店が・・・・
むかしの自分が投影されているような
ちょっとうれしい驚きである。
やわらかな秋の陽だまり
外に出ることは何かに出会える。
億劫がってはいけないのだ。
早稲の香やふとひとの名をつぶやきて