ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

月の恩返し

2008-09-14 17:50:48 | 日記・エッセイ・コラム

今宵は十五夜さん。

ススキに添えて団子と里芋をお供えした。
ほんとうはどちらか一種でよいのだが
お月さんをもっと喜ばせてあげようと沢山供えた。

この頃はお月さんまでもが
異常で不安定な気象に心痛めているようだ。
煌々と鏡のように晴れやかであった、かつてのお顔が
憂いに翳っている。
ご自分の所為などではないのに
深く悲しんでおられる。

月は自ら輝くことはできない。
  愛さんさん----------
与えられる光を享受することで
美しいその姿を夜空に現わすことができる。
お月さんはそのことを充分に自覚しているから
その恩返しとして
ひとの歩く夜道を明るく照らしてくれている。
お蔭でひとは躓いたり道に迷うこともなく
安心して峠を越えることができる。

雨の合間をぬって子供らが〈ぼーじぼ〉を叩いている。
軒明りの下、
わら筒
(穂打棒)で地面を打ち鳴らし
五穀豊穣を祈願する昔からの風習。
わら筒の芯にイモガラを入れると音がよく響き
この日ばかりは、作ってくれた爺様を誇らしく思ったりもした。

   
無月なれども月の在処の幽なる