行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

苦菜(ニガナ)

2010-06-20 21:49:32 | Weblog



苦菜(ニガナ)は同じキク科のジシバリを簡略化し,
小さくしたような舌状花を一つの茎にたくさん咲かせます。
山地や野原に普通に存在しているようで,
5,6月に草地を覗くと時々この花に遭遇します。
葉や茎に苦味があるのでこの名があります。

花びらが5~7弁のものをニガナ,
それ以上花びらがあるものをハナニガナと呼ぶそうです。
つまり,ニガナは花びらの数がいろいろ異なるなるものがあるということです・
野道を歩きながら,
ごく近い場所に6弁花と5弁花のニガナを見つけました(写真上,中)。

写真下は大阪の北部,彩都の開発造成地にて,
黄色のキク科の小さな舌状花が咲いていました。
花弁の数は10以上はあります。
ハナニガナかなと思って撮って見ましたが,
よくみますとニガナとは違います。
花の中心部がニガナとは大きく異なります。
咲いていた場所からは雑草と思われますが,
なんなのかはわかりません。詳しい方教えてください。

六弁に五弁もありし苦菜かな

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茅花(つばな)

2010-06-19 22:50:04 | Weblog



柵で囲まれた造成地,
草が生い茂り,雑草の園となっています。
初夏から夏の景色です。
茅(チガヤ)がススキのような白い花穂をつけ,
茅花(つばな)となり,そして綿毛となりが風に揺れています。
まっすぐに伸びた葉の柔らかい緑が日を受けて輝いています。
チガヤは日当たりのよい場所を好むイネ科の多年草,
刈り取られてもすぐに新たな葉を伸ばし成長します。
刈り取りの野原によく見られる強い草です。
その花は茅花(つばな)とよばれます。
そして,茅花の綿毛がほぐれるころ吹く湿気の多い風を茅花流しというそうです。

写真はいずれも6月6日,写真奥の赤紫はアカバナツメクサの花,
白と緑の野にところどころに紅色が彩を添えています。

さっぱりと散髪茅花流しかな
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薬師寺の塔

2010-06-18 22:33:52 | Weblog


薬師寺には中学,高校ともに修学旅行で訪れた記憶があります。
そのどちらだったかは定かではありませんが,
関西弁を駆使して,おもしろく,いろいろ解説をしてくれた
お坊さんのことが鮮明に記憶に残っています。
数えてみれば,もう45年以上前のことです。
そのお坊さんが薬師寺の再建にたいへん努力され,
後の管主になった高田好胤さんだったようです。
管内で流していたビデオで当時の高田好胤さんの姿を見て,
その当時のこと,その時のことを思い出しました。
外を見ると,薬師寺には今日もたくさんの修学旅行生が訪れています。

薬師寺といえば,薬師三尊像と東西の塔を思い浮かべます。
金堂の手前に左右に並ぶ東西の塔は,一見六重の塔のように見えますが,
少し小さな屋根3つは裳階(もこし)と呼ばれるもので,
実際は三重の塔ということになります。
東塔は現在薬師寺に残る唯一の奈良時代のもので,
天平年間の西暦730年に建てられたという説が有力のようです。
建立後,今年で1280年ということになります。
その姿は洗練され,下手な写真であらためて見てもとても美しく思えます(写真上)。

西塔は1528年に焼失してしまい,1981年に再建されました。
ほぼ同じような形ですが,東塔に比べ,
なにかありがたみを感じないのは新しいせいでしょうか。
思えば,修学旅行のあとも,西塔の建設中,そして完成して間もない時期に,
何度か薬師寺を訪れています。
こうやって塔を眺めていますと,
それぞれその当時のことが思い出され,感傷に浸ることができます。
古い建物には,そのような効能があります。

写真下は薬師寺の庭にたくさん並んでいた鉢に植えられた蓮,
花にはまだ時期が早く,蕾のあるものもわずかでしたが,
その中で,もう間もなく咲きそうな個体が一鉢ありました。
古いお寺に蓮,これもつきものです。

涼風の如来の顔に寄せにけり

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唐招提寺にて

2010-06-17 22:52:21 | Weblog


前回,唐招提寺を訪れたのは6年ほど前でした。
まだ金堂が解体修理工事の真最中で,
ブルーシートに覆われたなか,
とてつもなく緻密に大工事が行われていた記憶があります。
今回すっかり改修が終わった金堂を見て,
1300年前の建物の古さがそのまま残っていることにびっくりです。
10年の年月をかけて改修されたとのことですが,
できる限り元の材料を使って工事が行われたようです。
現存する最大の天平建築,国宝でもあり,その古さを損なわず,
今後1000年維持できるように修理が行われたのだそうです。
写真上(6/12)はその金堂,
左右シンメトリーのどっしりと美しい姿と屋根に飾られた鴟尾が印象的です。
写真下は大講堂,760年ごろに平城京より移築された
これも天平の時代の建物です。

写真中は鑑真和上御廟の一角,
樹木の下一面の苔が木漏れ日を受け,輝いていました。
古いお寺には苔が似合います。

天平の甍に映る青葉かな

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平城京とミヤコグサ

2010-06-16 22:01:51 | Weblog



平城京跡の広野に烏帽子のような黄色の花,
ミヤコグサがたくさんの花を咲かせていました(写真6/12)。
翌日行った京都仁和寺の庭園にも,この花が咲いていました。
東京の多摩地方ではあまり見かけません。
やはり,名前のとおり古都に生える草なのでしょうか。

ミヤコグサはマメ科の多年草,
日当たりのよい草地にほぼ日本全国に分布しているようです。
ミヤコグサの名は,昔は京都,奈良あたりに
たくさん見られたところからの名のようです。
その花の形から烏帽子草(エボシグサ)の別名があります。

平城京跡の大極殿に登り,後方を見ると,
丁寧に円柱状に刈り込まれた植木がたくさん並んでいました。
なにかおもしろい景色なので写して見ました(写真下)。
場所は内裏,天皇の住まいの跡のようです。
しゃれなのでしょうか,意味があるのでしょうか,
柱のあった場所に柱状に刈り込んだツゲの木が植えられています。

千年の浪漫馳せるや都草
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平城遷都1300年

2010-06-15 22:58:12 | Weblog

  

西暦710年,平城京が現在の奈良市に築かれました。
今年はそれからちょうど1300年,記念の年になります。
大阪に行く機会がありましたので,ちょっと足を伸ばし,
奈良の平城京跡地で4月24日から11月7日まで開催の
「平城遷都1300年祭」に行ってみました。
6月12日,梅雨入り前の最後の晴天日,
30度を超える蒸し暑い1日でしたが,
会場にはたくさんの人が訪れていました。

1998年,広い空地の中に突如として作られた朱雀門,
同時,近鉄電車からこれを眺め,なんだろうと思いましたが,
平城遷都1300年祭の布石だったようです。
そして今年,その直線はるか800m先に第一次大極殿が完成,
1300年前の姿が復元されていました。
東西44m,南北19.5m,高さ27mにおよぶ大きな建物です。
今後,さらにいくつかの建物が建てられていく予定のようですが,
現在は大きな建築物は朱雀門とこの第一次大極殿だけです。
それが,120万平方メートルにもおよぶ広野に,
800mの距離を置き,北と南にポツンと建てられています。

野原を東西にほぼ縦断するように,
近鉄奈良線の電車がひっきりなしに行き交います。
野原の中程には踏切が設けられ,観光客はこの踏切を渡り,
朱雀門から大極殿へと向かいます。
ここが平城京跡と確認される以前に線路は敷かれていたそうで,
致しかたないことなのですが,どうにかならないのかとも思える景色です。

広い野原は通路を除き一面の草原,湿地に化しています。
草原には雑草の花が咲きそろい,
湿地からは野鳥の様々な鳴声が聞こえてきます。
これらの土地の発掘調査は,まだ一部しか終了しておらず,
まだまだ多くの年月が必要なようです。
この平城京跡が文化遺産として今後どうなっていくのか,
楽しみでもあり,費用のかかることなので心配でもあります。

写真上は史跡中央付近からの大極殿遠景,
下は大極殿をバックにダンスパァフォーマンスをしている人達です。
1300年前こんな衣装を着ていたのでしょうか,とても色鮮やかです。

夏草や奈良の都の宮の跡
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ヤマボウシ

2010-06-14 21:54:12 | Weblog



ミズキ科ミズキ属の落葉高木,山法師(ヤマボウシ),
ミズキ,ハナミズキの仲間であり,庭木としてよく利用されていますが,
山地に自生もしています。
ハナミズキより一月半ほど遅れ,
ミズキより2~3週間遅れて花を咲かせていました。
4弁花の花の形などハナミズキにとてもよく似ています。
ハナミズキがアメリカヤマボウシといわれる所以です。

ヤマボウシは白花と思っていました。
多分,園芸用に作られたものと思いますが,
ピンク色の花(写真上6/5),白にかすかにピンクの混ざるものもありました(写真中6/6)。
ハナミズキは葉が出る前にたくさんの花を咲かせますが,
ヤマボウシは濃緑の葉が出そろったあと,
葉の上に乗るように花が咲きます。
山帽子の漢字も使われる所以かと思います。
花と書きましたが,実は,ヤマボウシもハナミズキもこの花びらと思える部分,
花ではなく総包といわれるものです。
本当の花はその中心にある部分です。

里山に夏訪れて山帽子

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緑のグラテーション

2010-06-13 23:02:26 | Weblog

ミズキの青実

関西出張のついでに,土,日と足を伸ばし,奈良,京都に行ってきました。
昨日は真夏のような暑さ,今日は一日中雨となりましたが,
どこのお寺も緑がとてもきれいでした。
おいおいその写真も紹介したいと思いますが,
今日は一週ほど前,地元で撮った緑の数々です。

4月の下旬に花を咲かせていたハナミズキ,
一月があっという間に過ぎ,葉がすっかり生えそろい,
実ができ,成長をはじめています(写真上6/5)。
秋にはこのきれいな緑の葉も紅葉し,実も紅く染まります。

5月の半ば,葉に雪が降り積もるように花が咲いていたミズキ,
その花の一つ一つがしっかりと実に変わり,
びっしりと緑色の粒が並んでいます(写真中6/5)。
背景の緑,葉の緑,実の緑,緑がいっぱいです。
この実も夏には薄紅色となり,やがて黒熟していきます。

写真下は合歓の新緑(5/30)です。

万緑や花も青実となりにけり


緑のグラデーション
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赤花夕化粧(アカバナユウゲショウ)

2010-06-09 18:58:36 | Weblog


赤花夕化粧(アカバナユウゲショウ),
きれいなピンク色,野によく見られる雑草の美しい花です。
名前になにか日本的古風さを覚えます。
もともとは観賞用に明治時代にアメリカより持ち込まれたものですが,
今は,野生化しており,
4月下旬頃から道端,野原などに1cmほどの4弁花,
ピンク色に紅い脈筋のとても印象的な花を咲かせています。
なにか,毎年,毎年その勢力を拡大し,増えているようにも思えます。
アカバナ科マツヨイグサ属,ヒルザキツキミソウ(写真下)と同じ仲間です。

夏始すこし濃い目の夕化粧

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空木(卯の花)と梅花空木

2010-06-08 22:04:02 | Weblog
 バイカウツギ


写真上,空木(ウツギ)の花です。
旧暦の卯月(4月)ごろに咲くので卯の花とも呼ばれ,
古くから日本人の生活に深く関わりのある樹木の花です。
「卯の花の匂う垣根にホトトギス----」で始まる唱歌「夏は来ぬ」を思い出します。
明治29年に創られた詩だそうです。
この花が咲くと夏の訪れを意識し,農作業などの暦としても利用されたと思われます。
純白の小花を枝いっぱいに付け,咲くのも見事で十分に眼を楽しませてくれます。
枝はとても硬く,木釘として利用もされているようです。

空木(ウツギ)の名は茎の髄が空洞であるところからのものです。
このウツギはユキノシタ科ですが,
昨日掲載のハコネウツギやニシキウツギはスイカズラ科,
また,バラ科のコゴメウツギ,ミツバウツギ科のミツバウツギというのも存在します。
いずれも茎の中が空洞であるところからウツギの名と思われます。
同じウツギがつきますが,ウツギとハコネウツギでは全く異なる植物なのです。

写真下は卯の花と同じくユキノシタ科のウツギ,
バイカウツギ(梅花空木)の八重花です。
木陰の暗さがその白さを際だたせていました。
バイカウツギの存在はウツギに比べかなり少ないようですが,
山地に自生もしている灌木です。
八重花はそれを改良した園芸用品種だそうです。

卯の花の匂いかすかに夏の雲
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