行く川の流れ

花・鳥・旅行写真日記

キランソウとジュウニヒトエ

2012-05-11 23:12:04 | 花,植物

4月から5月,丘陵や野山の地を這いつくばり
濃い紫の花を咲かせるキランソウ,
漢字で金瘡小草(キランソウ),シソ科の植物です。
地獄の釜の蓋(ジゴクノカマノフタ)というなにか恐ろしげな別名を持ちます。
そして,茎や葉の裏にある粗い毛もなにか恐ろしげに感じます。
他の草に隠れたりして,なかなか目立ちづらいのですが,
探してみるとけっこう見つかります。


開花時期のこの草を乾燥させたものが筋骨草の名をつけられた生薬,
鎮咳,去淡,解熱,健胃,下痢止めなどの効能が記されています。
「地獄の釜の蓋」という名も,
この草により,病気を治して地獄の釜に蓋をするという
薬草由来からきているようです。


キランソウの花とほぼ同じ時期,
丘陵や野山に同じような花に出会います。
同じくシソ科キランソウ属,
十二単(ジュウニヒトエ)です。


同じような花といっても,
こちらは地を這うのではなく花を重ねて上に伸びます。
一見すると似ているとは思えませんが。
よくみると花の形,葉の形
キランソウによく似ています。


一般的にジュウニヒトエと呼ばれる
紫色がより濃い似たよう花が庭の片隅などに群生しているのをよく見ます。
こちらは正しくは西洋十二単(セイヨウジュウニヒトエ)
同じくシソ科キランソウ属の草でヨーロッパ原産の園芸品種です。
写真上は民家近くの野に一株だけあったセイヨウジュウニヒトエ,
一部野生化もしているようです。

地の養を吸い尽くすかな金瘡小草
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サギゴケにトキワハゼ

2012-05-10 22:16:57 | 花,植物

下草が刈られ,そろそろ田植えの準備が始まった田んぼ,
覗いてみると,小さな紫の花が地を這うようにしてたくさん咲いていました。
ムラサキサギゴケの花です。
漢字では紫鷺苔と書きますが,苔ではありません。
ゴマノハグサ科サギゴケ属の草です。


ムラサキサキゴケは紫は薄紫ですが,
クローバーの中から顔を出したこの花,
群生はしていませんが,薄紫より少し濃い紫です。


4月から5月,
湿った野や水田の畦に苔のように地を這い,
鷺のような形の紫の花を群生して咲かせるのでこの名があります。
紫の花がよく目立ち,見過ごしがちですが,
紫の群生の中に白花の群生が混じっていることがあります(写真上)。


白花を紫とするのはおかしいので
こちらはサギゴケと呼ばれるようです。
白花のものが白鷺をイメージして,まずサキゴケと名づけられ,
サキゴケの紫の花をムラサキサキゴケとしたとするのが
道理が合うように思われます。
ただ,ムラサキサキゴケのほうがずいぶん多く見られます。


同じような田んぼの草地,そして畑や庭と
いろいろな場所にムラサキサギゴケによく似た
そしてそれより少し小型の花が見つかります。
同じゴマノハグサ科のトキワハゼです。
ムラサキサギゴケに比べ花色が薄く花が小型,
そして地を這うようではなく,
上に向かって伸びるなどの違いがあるようです。
写真,我が家の庭の芝生の中のトキワハゼです。

鷺苔がコロニーとなる春田かな
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蓮華草(レンゲソウ)

2012-05-09 22:28:01 | 花,植物

まだ水もない田んぼのところどころに
赤紫色の美しい花を見つけました。
蓮華草(レンゲソウ)のようです。
群生しているのを車窓などから見ることはありましたが
こんな近くにじっくり見るのはなぜだか初めてです。
葉も色形がよく,思ったよりきれいな草です。
また,群生しているより一株,二株と咲いているほうが
きれいに思えます。


蓮華草の名も字もきれいです。
紫雲英(げんげ)が正式名のようですが,
蓮華,蓮華草のほうが響きも字もよいように思われます。


マメ科植物,
田植え前にこのレンゲソウを水田にすきこむことで
マメ科特有の根粒菌が稲のよい肥料として働きます。
昔は肥料にするため,秋にレンゲソウの種を田んぼに播き,
春に咲かせました。


田植え前の田んぼによくレンゲソウが群生していたのはこのためです。
今は,合成肥料が普及したせいでしょうか,
そんな景色もあまり見られません。
あちらこちらの田に1つ,2つと咲くレンゲソウ,
昔の名残でしょうか。

田なること我に知らせし蓮華草
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クサノオウにヤマブキソウ

2012-05-08 20:44:35 | 花,植物
春,ほぼ同じ時期に野山に咲くクサノオウとヤマブキソウ,
鮮やかな黄色の花,形もよく似ています。
調べてみれば,両者ともケシ科クサノオウ属,
似ているはずです。
4月下旬のそんな2つの草の花を載せます。


草の王,草の黄,瘡の王といろいろな漢字が使われるクサノオウ,
草の王はそのままに草の王といえるほどに美しいからでしょうか,
草の黄は茎や葉を折ると黄色の汁が出るところから,
瘡の王は瘡とも呼ばれる丹毒に効くからのようです。


複数のアルカロイド物質を有す毒草であり,
白屈菜(クサノオウ)と書かれる薬草でもあります。
ケシの仲間ですので,鎮痛作用,麻酔作用などが主たる効能のようです。


ヤマブキソウ,
ヤマブキに似ているのでこの名があるそうですが,
ヤマブキはバラ科の5弁の花,
ヤマブキソウはケシ科の4弁花です。
やはりヤマブキよりクサノオウに似ています。


クサノオウが野原や川辺などに普通に見られるのに対し,
ヤマブキソウは山の林縁などに全国的に分布しているとありますが,
自生しているものはかなり少なくなっているようです。


写真のヤマブキソウは城山公園カタクリ育成地近くに咲いていたもの,
群生とまでは行きませんが,十数株の草が毎年花をつけています。
一株,二株移植されたものが増えたように思われます。
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一輪草と二輪草

2012-05-07 23:04:09 | 花,植物

稲城中央公園の山斜面,
アネモネによく似たキンポウゲ科の花,
イチリンソウが群生して咲いていました(4/29)。




一株,二株と少し離れたところに咲いているものもあります。
群生部分から広がったと思われます。
群生のイチリンソウは多分どこからか移植されたと思われますので,
完全な自生とはいえませんが,
やがて斜面一面にこの花が咲くようになるかもしれません。




同日,里山のにおいがまだ残る地域を歩いていて,
崖下の草野にぽつりぽつりと何輪か咲いているイチリンソウを見つけました。
これは自生しているもののように思います。


同じ里山地域をしばらく歩いていると今度は林縁の道端に
ニリンソウを見つけました。
葉がたくさん広がっている中,
花はこの二輪を含めても四輪と少ないですが,
これは自生のニリンソウです。
イチリンソウもニリンソウも
自生しているものがまだ近くにあるとは感激です。
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金蘭(キンラン)

2012-05-06 17:32:58 | 花,植物

稲城中央公園の山の斜面の育成地
今年も金蘭(キンラン)が花を咲かせていました(4/29)。




例年より今年は少し早いように思えます。
ラン科キンラン属,山野に自生する代表的な和蘭ですが,
開発や乱獲により真に自生しているものは少なくなっていると聞きます。




稲城中央公園や城山公園の育成地以外の山地のにも
何ヵ所かにキンランを見つけました(5/4)。
育成地のものに比べ,花は貧弱で弱々しく感じますが,
よく探すと自生のものもまだ残っているようです。


ただ一つだけ見つけたギンラン,
少しさびしい花です。
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谷を泳ぐ鯉のぼり

2012-05-05 21:39:19 | 風景

少子化,核家族化やはり場所の問題が大きいでしょうか,
5月の空に泳ぐ鯉のぼり,
姿を見ることがほとんどなくなりました。
GWの景色になにか不足感を覚えるのは
このせいのように思われてきました。




ニュータウンに囲まれた稲城市上谷戸の親水公園,
そこの谷間をたくさんの鯉のぼりが泳いでいました。
多分,地域の家々から集められたものを,
この地区の自治会の方々が飾ってくれているものと思われます。
上谷戸大橋から対面の大木に綱を3本渡し,
大小様々な鯉のぼりがおおよそ100匹ぐらいでしょうか,
つるされています。




そんな谷に泳ぐ鯉のぼりをいろいろな角度から撮ってみました。
そして,いつもより家族連れが多く,
それぞれ鯉のぼりを背景に写真を撮っていました。
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浅草寺にて

2012-05-04 20:28:57 | 風景
せっかく浅草まできたということで,
何十年かぶりに浅草寺に行って見ました。


連休ということもあるのでしょう,
雷門の前は人であふれています。
参道となる仲見世通りも人でいっぱいです。
その人ごみ,背の高くない私が普通に撮ると
目の前の人の頭しか写りません。
広角レンズの利点を生かし,
カメラを頭上に掲げ,ライブビューでピントを合わせ,
シャッターを押してみました。
家族連れ,カップル,外人観光客,
たくさんの人が行き交っています。
それにしてもすごい人ごみです。
これでは買い物もできません。
あまり混むのも仲見世の商店にとってはマイナスに思われます。


仲見世を抜け,宝蔵門をくぐると右手,
浅草の老舗の名が連なる提灯の向こうに
ここでもスカイツリーの姿が見えます。


本堂の前も人でいっぱい,
ここでは煙を浴びるだけにして,
急遽,今開放中の寺宝の大絵馬と浅草寺伝法院の
庭園拝観をしてみることにしました。


浅草寺にこんな広く立派な庭園があるとは驚きです。
静かで先ほどの人ごみが嘘のようです。
五重塔を背景に池と伝法院,
まるで京都に来たように思えます。


伝法院の前に赤紫色の牡丹がきれいに咲いていました。
花数を少なくしているのがよけいに牡丹の美しさ引き立てています。


ここの庭からもスカイツリーが臨めます
この景色を見ればここは浅草です。
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曇天のスカイツリー

2012-05-03 21:31:39 | 風景
5月22日開業予定の東京スカイツリー,
開業間近となり,
今日もテレビでたくさん取り上げられていました。
いつも遠くからは眺めていますが,
近くに行ったことがありません。
ゴールデンウィーク3日目の4月30日,
曇天の空,写真を撮るにはもう一つの天気でしたが,
カメラを片手に出かけて見ることにしました。


ツリーまでのアプローチを楽しもうと,
浅草橋駅から歩いて見ることにしました。
まずはじめに,隅田川厩橋からのスカイツリーです。


駒形,本所と古き町の名を楽しみながら
知らぬ路地をジグサグに歩いていくと,
ビルの間から時々スカイツリーが顔を覗かせます。


そして,本所吾妻橋の交差点につきました。
ここからスカイツリーはすぐそこのようです。
交差点の歩道から写真をとっている人が何人もいました。


スカイツリータウンに着き,
真上のツリーを撮ってみましたが,
上部が写らず,その高さがよく分かりません。
雲の中にうっすらと姿を現した太陽を入れて見ました。
太陽より高いように見えます。


帰りは浅草に向かってみました。
途中,寄ってみた吾妻橋の手前にあるアサヒビール本社ビル,
そこの空間からはビルではなく,
下町らしく,民家の屋根越しにスカイツリーが見られます。


吾妻橋を渡ると浅草です。
隅田川を挟んで首都高そしてアサヒビール本社ビル,
その奥にスカイツリーが臨めます。
子供たちが小さい頃,この首都高を通ると,
このビルを見て「うんこビル」と喜んでいたことを思い出しました。
このビルに飾られているうんこのようなオブジェ,
実はビール会社の躍進を象徴する炎をあらわしているそうです。
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ダイサギ(大鷺)

2012-05-02 20:01:41 | 

ちょうど一月前,4月初旬の写真になります。
すかり春の様子になった小さな川を
白鷺がのんびりと春をあじわうかのように歩いていました。
よくいるコサギではなく,ダイサギかチュウサギです。
なかなか区別が難しいこの2種の鷺です。
名のとおり,大きいのがダイサギですが,
両者を並べて比較してみないと分からない程度のようです。


この個体,嘴全部が黄色,
ダイサギもチュウサギも夏には嘴が黒くなるそうなので,
春になりましたが,まだ冬毛の状態です。
チュウサギは冬毛でも嘴の先端に黒が残るということなので,
それから判断すると,
嘴全体がきれいな黄色であるところからダイサギと思われます。


いずれにしてもいつも見るコサギではない白鷺です。
この小さな川には珍客です。


ダイサギ,首を伸ばすとこんなに長くなります。
首を伸ばして歩く姿は,まるで鶴のように見えました。


そして首を前に突き出しながら,
ぐんぐん進むこんな歩き方もみせてくれました。

大鷺に鶴の気品か春の川
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