ベッドの上で娘が昨日持ってきてくれた文庫本を読んでいると、「失礼します」といって一人の女性が私たちの病室に入ってきました。
四人部屋の場合は右手の奥から、と決めているのかまっすぐに私のカーテンを開くと「ボランティアで本の無料貸し出しをしているものですが、いかがでしょうか?」とにこやかにリストを差し出しました。
自分の本を読み始めたばかりだったので、断っても良かったのですが、ぶっきらぼうに拒絶するのも悪いと思い、リストだけでも見せてもらうことにしました。
「ふーん、ダヴィンチ・コードなんてのもあるんだ」などと言いながら、リストをめくりながら考えて、「このDー44お願いします」と告げました。
女性は「探してきます」といって部屋を出て行きましたが、しばらくして戻ってくると、私に一冊の本と貸し出しカードを差し出しました。
その図書貸出カードを見た私は「もう少し簡単なタイトルの本にしておくんだったな」と思いました。
そのカードの小さなタイトル欄には、彼女の手書きで本の名前が書かれていたからです。「もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵」(著者:椎名誠)
四人部屋の場合は右手の奥から、と決めているのかまっすぐに私のカーテンを開くと「ボランティアで本の無料貸し出しをしているものですが、いかがでしょうか?」とにこやかにリストを差し出しました。
自分の本を読み始めたばかりだったので、断っても良かったのですが、ぶっきらぼうに拒絶するのも悪いと思い、リストだけでも見せてもらうことにしました。
「ふーん、ダヴィンチ・コードなんてのもあるんだ」などと言いながら、リストをめくりながら考えて、「このDー44お願いします」と告げました。
女性は「探してきます」といって部屋を出て行きましたが、しばらくして戻ってくると、私に一冊の本と貸し出しカードを差し出しました。
その図書貸出カードを見た私は「もう少し簡単なタイトルの本にしておくんだったな」と思いました。
そのカードの小さなタイトル欄には、彼女の手書きで本の名前が書かれていたからです。「もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵」(著者:椎名誠)