勢なるもの

勢（せい）ということばを
はじめて先生から聞いたのは
何年前になるのかしらん。
おそらくは交流会の個人表演に向けて
練習していた時だったかと思うのですが。

当時は理解なんてものとはほど遠く（笑
また、先生も理解の程については
それほど期待もしていなかったであろう
と思います。
表演をひとつの機会ととらえて
とりあえず説明してみようかといった感じ
だったのではないかと。

いまとなっては記憶の方もかなり怪しいんですが、
具体的には、表演に際して
自分は何を表現したいのかといったテーマを
出されたんじゃなかったかなぁ。
で、各自が自分なりの何かを
心に思いながら表演してみたわけです。



あれから時は流れ、練習を重ねてきて
再び先生から勢についての解説を聴いたのは
伝統楊式短期講習の最終日のこと。
今回は十三勢にも触れるなど
はじめて系統立てて聴いたような気もします。
でもその内容を改めて反芻してみると
練習中、これまで何度となく
耳にしてきたことだったのがわかります。
それなりに進化はしてたみたい。


そして、勢は意の象でもあるのかなと
思ったりしているこの頃です。
意のままにという場合
ふつうは自らの意のままにと理解しますが、
何か自己を超えた大いなるものによって
導かれていると感じることってありませんか。
そんなときは目には見えないものの存在を
意識せざるを得なくなったり
無であるものの意を思ったりもします。
だとしたら無は無ではないのかも……
そんなことも考えてたり。
まだまだわからないことだらけです。