「日本と原発」の映画の紹介は、このブログでもすでに「<緊急・重要>映画「日本と原発」を日本国民全員がみて考えてほしい」として書きましたが、今は「日本と原発 4年後」がでているにも関わらず、まだ見る機会を逃してみていない。どこかで必ずみようと思っているが、この「日本と原発 4年後」の方はまだDVDになっておらず、一般の劇場でやっていないのでなかなか1度逃すと見るチャンスがなく、忸怩たる思い。
そのDVD検索の時に、でてきたのがこの「東京原発」という監督・脚本」山本元、主演」役所広司のDVD。カスタマーレビューを見て即amazonで注文、今日みてみた。
この作品は2002年のもので、チェルノブイリの話は当然ながらでてくるが、福島原発の事故以前の映画。
この映画を見ていて、当時それから10年もしないで日本に原発事故が起きるとだれが想像しえたであろうか。
日本にこんなことを考えて実行しようとした東京都知事がいれば・・・最初のメンバーが都知事の真意を知って団結するところ、最後のラストシーン。胸が痛くなりました。原発事故の前にすでにみた方も、また見るとまたさらにこの作品を作り出した目の確かさに気づかされることでしょう。
自分たちの日々使っている電気。今、私のパソコンが動くのも電気によっています。
でも、当たり前すぎて考えることをしなかった。
「原発を止めたら、電気の70%を依存しているんだから停電になっちゃうんでしょ」の問いに原子力を知る教授が、「そんなことはありません。原子力は使いだす止めることができないから基幹エネルギーに据えるから70%と言えるんで、原子力発電を止めたら他のエネルギーで補えば大丈夫なんです」と説明していたり・・・・事故が起きた直後こそ、原子力発電がないとという「原子力神話」の維持のためか計画停電が起きましたが、教授の言うとおり、その後ピークの夏でも日本に停電は起きていません。
そして、核にまつわることを一番国民にかくしている日本との表現も、まさにその通りのことが起こり、スピーディでの汚染状況の迅速な伝達もなく、メルトダウンの事実も伏せられ、今もだんだん情報が流れなくなり国民の記憶から遠ざかっているように感じられてなりません。
非常によく考えられている役所さん演じる東京都知事の最後のセリフ。
これで、もう都知事の計画は実行しなくても都民が反原発運動を起こすだろうという副知事に、「甘いな」と言った後のセリフ。
しっかりこの映画をみて記憶して下さい。
原発はトイレのない住宅に住んでいるようなもの。その恐怖を忘れては、次の悲劇が起きます。
国土の狭い日本。しかも、福島での被害が原発再稼働で動き出す原発でより小さいとだれが保証してくれるでしょう。
耐用年数の古い原発も再稼働されようとしています。本当に、それでいいのですか。
動かずにただ黙っていることは、原発推進の動きに味方していることに他ならないことを忘れてはならないと思います。
「人間は過去のことはすぐ忘れる」「終わったことに関心はない」
今、ちょうど飯田進さんの「地獄の日本兵」という第2次大戦のニューギニア戦線の真相を明かす本を読んでいます。
戦争の実態の悲惨さ。長く遠くなった戦線への補給路の脆弱だった日本軍。日本兵の死は名誉の戦死より餓死、病死が多かったという事実。
ノモンハン事件で、日本のある部隊は水も食料もなく20倍の兵力に囲まれた。脱出した指揮官は停戦後に「独断撤退」と責められて自決を強要された。もし、こうした過去の失敗に学んでいれば日本が戦争に深入りして、自国民にも他国民にも悲惨な犠牲者をださずに済んだかもしれないのに。
過去に学ぶ大切さを、原発においても、日本の軍備に対しても、しっかりもって行動していきたい。
映画「東京原発」まずは見て下さい。監督が「あまり期待しないで見てほしい」「これはコメディーとして作ってある」と言っています。
肩に力をいれずに楽しみながら見て、でもきっと原発事故の現実を知った2011年を知った後の人間なら、突き刺さるものがあると思います。