「白秋」という言葉を思い出しました。海風の中に秋を感じます。去りゆく夏を惜しんで、久しぶりに明るい色で爪を染めました。爪を染めながら、向田邦子のドラマ「冬の運動会」の中の印象的な爪を染めるシーンを思い出しました。エリート一家北沢家の祖父は元連隊長の会社役員。その家では厳格な祖父にはもう一つの家がありました。30歳以上の年の違うおおよそ彼に似つかわしくない女性の家に通うのです。病気の女性の狭い部屋の中で祖父は背広ではなくちゃんちゃんこを着て、食器を洗ったり、女性の下着を洗ったりしています。彼女に買い物に頼まれたのが赤いマニキア。忘れたりして買えなかったマニキアをやっとの思いで買った日に彼女は亡くなっていました。その亡きがらの指に真っ赤なマニキアを塗るのです。その赤が今も印象に残っています。私の見たドラマでは志村喬と藤田弓子が演じていました。
向田邦子の作品は今も人気だそうです。20年前くらいは愛読書でしたが今の、私にはどうもきつ過ぎるようになりました。向田邦子の切り口は鋭すぎる気がする時があります。それは彼女自身の人生と重なるからでしょうか。残された者の残酷さがあの赤のマニキアのような気がします。
私の爪が大好きな「いずも」です。
向田邦子の作品は今も人気だそうです。20年前くらいは愛読書でしたが今の、私にはどうもきつ過ぎるようになりました。向田邦子の切り口は鋭すぎる気がする時があります。それは彼女自身の人生と重なるからでしょうか。残された者の残酷さがあの赤のマニキアのような気がします。
私の爪が大好きな「いずも」です。